■レビュー内容
あとがきによると、この3編のうち2編は本編連載前に書かれたとのこと。本編第1部とはすんなり繋がらない外伝的な話だった。ティーエら3人の出生に関する話の進展は全くない。面白くないわけではないが、どの話もよく言えば王道、悪く言えばありきたりです。本編の進展を期待。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
ティーエ、ラクシ、ボイスの3人の行く手には奇怪な出来事が待ち受ける。
「呪いの町」
3人は砂漠で初老の男と少年に出会う。少年はサソリに刺され重傷を負っており、ティーエはその少年を助ける。男はハイダ・エクンへ帰るところでティーエらを案内するという。街に近づくとティーエが町が呪われていると言い出す。やはり町の様子が変わっており男の妻から仔細を聞く。
その夜、町の人々が呪いの恐怖に抗しきれずティーエらを生贄にすると言い出すと、ティーエは自分が町の呪いを解くかわりに交換条件を出す。翌朝、ラクシを人質に残しティーエとボイスは、呪い師を追って森へ向かう。何故呪い師が町に呪いをかけたのか知ったティーエは、呪い師を説得しようと試みるが、呪い師は聞き入れず戦いが始まる。
「黄金の死者の都」
3人は、奇妙な霧に出くわす。その霧の中に怪しげな都市を発見する。城壁をよじ登り都市に入ると、町はミイラと化した人が生前のように着飾りそこにいた。ティーエは、ミイラには霊がついており、彼らはまだ生きているのだという。ここは、アゼク・シトラスの第二都市死者の都だった。
盗賊が現れる。ティーエらは逃げ出すが、ラクシが落とし穴に落ちてしまい、ボイスが助けに行く。ティーエは、盗賊に捕まってしまう。都市にかけられていた盗賊除けの呪術が発効し、ティーエらも巻き込まれてしまう。盗賊らは呪いに殺されティーエは何とかボイスらと合流する。
「暗黒神の地下都市」
3人は、砂漠ではめったにない豪雨に会う。その濁流を避け岩場に登り難を逃れたが、忽然とラクシがいなくなってしまう。ティーエが、辺りの精霊たちに聞くと出入り口を発見する。ラクシは誘拐されたのだった。入口から地下へ入ると、そこには一大都市があり、かなりの人々が暮らしており、ラクシは彼らに連れ去られたと考えられる。
ティーエとボイスは、多勢に無勢を悟り彼らにラクシを返すように説得するが、ラクシと伴に闇の神ラダク神殿へ連れていかれる。そこに3人の巫女が現れティーエらを神殿の中へ導くが、ティーエは巫女に触れると自分らが生贄にされることを悟る。女神の体内に置き去りにされるが、巫女の一人が洞窟の奥に抜け道があることを教えてくれるが、憎しみが行く手を阻む。
