■レビュー内容
「知るもんか、そんなこと」
面白くなってきた。話自体はあまり進まなかったけど、伏線みたいのがあちらこちらに…。ラクシの話とアドリエの政争が絡み合って展開していく。ティーエもラクシに「行くな」って言ってあげればいいのに、言ったら物語が終わっちゃうけどね…。マンレイドたちがどうかかわってくるのか、ボイスの葛藤も少し出て来たし、今後に期待。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
地震の翌朝、ティーエらは、アナリスの娘アナイアに会う。アナイナは、王妹マレシアーナ付きの奴隷だと言う。地震の時マレシアーナを救った褒美に帰宅を許されたのだった。アナイナはその日のうちに王宮へ帰って行き、数日ののち、アナリスの息子蟷螂師のサダナフィンが帰ってきた。ティーエらは、難民村の宿屋に滞在して、アナリスの家の軒先を借り治療で使い切ってしまった薬の補充をしていた。ある日、ティーエとラクシ、ボイスの3人は薬草取りに出かけ、ラクシは自分が抱えている迷いをティーエに相談する。ティーエは、ラクシがイタール公国再興の盟主になることがどんなことか理解してないように思い、今のイタール公国に帰るよう勧める。ティーエの答えはラクシが期待するものではなかった。
そんな折、ボイスが急を告げる。街道を輿に乗った一行を黒影団らしき一団が襲おうとしていた。3人は、黒影団らしき一団を追い散らし一行を助ける。一行は、アドリア軍将軍サジャンの妻カリスタと名乗り、父はゼルフト元帥だと言う。ティーエらは、名も伏せその場から立ち去るが、ボイスは賊は黒影団の太刀筋とは違うと言い残す。
マンレイドとバイカリはカリスタ一行が襲われる場にいた。それは、バルド宰相の策で、ゼルフト元帥の娘を襲わせそれをマンレイドらが助け既知を得ることだった。ティーエらが邪魔をしたことになるが、マンレイドはボイスが現れたことに動揺し、茶番劇に加わったことを恥じた。
一方、カリスタは事情をゼルフトに話し、ボイスの言ったことも伝える。翌日、カリスタは、ゼルフトと都へ戻り、トバ神殿に巫女王を訪ねる。巫女王に昨日のことを話し、名も知らぬティーエのことをオリハ・リコン色のオーラの男性に会ったと言う。巫女王は、とうとう来たのですねと言い、女神さまからお告げがあったと言う。「世界の相を持つ者がアドリエに現れる」
オルボは、酒場で反アドリエの集会を頻繁に開き、イタール公国再興への準備を進めていた。その集会にはサダナフィンも参加していた。ラクシは、迷いながらもイタール公国再興の盟主になることを決意し、集会に参加する日が来た。しかし、黒影団がそれを嗅ぎ付け酒場は包囲されてしまう。そこへ、常連客であるマンレイドらがやってきて、周囲の物騒な気配を感じ取り、狙いが酒場の奥オルボたちであることを確信する。マンレイドは、黒影団が酒場へ踏み込むとすぐさま割って入り、大声を出し警告を発する。それに気づいたオルボらは二手に分かれ強行突破に出る。しかし、ラクシは捕まり、オルボはラクシをかばい負傷、マンレイドの手引きで何とか脱出しティーエらの元へたどり着く。オルボは、一命をとりとめる。黒影団に捕まったサダナフィンは、母と妹の身の安全と金のために、ラクシがイタール公国公女であることを話す。
翌日、市中に告示が出される。「仲間の身が気にかかるなら出頭せよ」