■レビュー内容
「…あんたの涙、あったかい」
魔使に比べ天使が弱過ぎ…。サタンの七大魔使は一人もいないのにダンテと七大天使はサタン一人にやられっぱなし。力のバランスがおかしくないか。初期の様に楽しく書けたと本人評だが、構成の悪さが再発しているような…。メイヴ、アイリーン、ヘンリー、ケイトと仕掛けは同じ、しかも結果も同じでは物語にならんのでは?永劫の闇にまで探しに行って手ぶらで帰って来るのはどうかと思うが…。戦闘シーンも無駄に長いし…、セリフはまるで進歩が無い、陳腐で無い方がいい場面も…。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
八咫の鏡に従ってエジプトへやって来たダンテらは、7人目の天使ガブリエルの捜索を開始する。アビとキラはGEHENA(ゲヘナ)に襲われていたエルダという女性を助ける。エルダはガブリエルを知っていて自分の息子だと言い、カイロ大学へ連れて行ってと言う。
ダンテとサマエル、李はカイロ大学に来ていた。二人はグリンと言う学生がガブリエルだと確信するが、グリンは知らないと二人を無視、恋人のファジーラと行ってしまうが、何者かによって車に監禁され郊外へ連れていかれてしまう。車が郊外へ出るとグリンは誘拐犯らを一蹴、ファジーラと帰ろうとするが、隻眼の男がグリンの持つ魔鏡(マリス)を渡せとサソリを操り襲ってきた。ファジーラを抱えグリンは苦戦を強いられるが、ダンテが助けに入ると、不利を悟った男は逃げ出す。助けてもらったはずのグリンだったが、またもダンテらを無視し消えてしまう。
ダンテが館に戻ると、サタンの右腕を封印した部屋に異変が生じる。秀らが向かうと悪魔サルガタナスがおり、サタンが作り出した魔力の源の一つ魔鏡の在りかを知っていると言う。しかし、ダンテは知っているのならここへ持って来いと取り合わない。そこに、サタンに操られた鏡が現れる。秀に右腕の監視を頼み、ダンテは鏡の体を取り戻す戦いを始める。サタンは、遠隔地で悪魔の儀式を行い魔力を高めていた。ダンテは八咫の鏡に意識を集中し聖の気で対抗する。一進一退だが、優佳が鏡の名を呼ぶと、鏡は一瞬サタンの呪縛から解き放たれ、ダンテはその隙を逃さず聖の気を鏡に流し込むと、呪縛を完全に断ち切ることに成功する。しかし、鏡の意識は戻らない。完全な八咫の鏡の力が必要だった。
一方、サタンの右腕はサタンの魔力に反応し動き出す。秀が必死に抑えるが、いつのまにか現れたサルガタナスがダンテの封印を解いてしまう。サタンの右腕が秀を襲うが、鏡の呪縛が切れたと同時に動きを止める。ダンテは、鏡の体を取り戻した今、サタンの右腕は必要なくなり消滅させる。
ダンテが部屋に戻ると優佳の姿が消えていた。古魔術月の五芒星(ムーンペン)の呪いで優佳は生きてはいるが、どこに捕らえられているか誰が仕掛けたか分からなかった。サルガタナスの姿は消えサタンとの共謀の可能性も残る。ダンテはガブリエルの八咫の鏡の回収を急ぐ。
グリンはファジーラと行動を供にしていた。ダンテはグリンが天使として覚醒していることを確認し、八咫の鏡を回収するが、グリンは仲間に加わることを拒否、グレイと戦いを始める。グレイはグリンが苦悩を抱えている事を見抜く。グリンが覚醒していれば、魔使フルーレティも覚醒しているはずだが現れ無い理由がグリンが抱えている苦悩だった。
グリンと離れたファジーラの前に、あの隻眼の男が現れ、自分は悪魔ネビロスで、ファジーラをフルーレティと呼び魔鏡の在りかを示せと言う。ファジーラはネビロスの邪視によってフルーレティの記憶が蘇ると、魔使へ完全変形を始める。フルーレティの咆哮が聞こえたグリンはフルーレティに変わってしまったファジーラと戦おうとせず元の姿に戻そうと必死に説得を試みるが、ダンテらが助けに入ると、フルーレティはその場から逃げ出す。
完全に記憶が戻ったフルーレティの前にネビロスとサルガタナスが現れ、再度、魔鏡の在りかを訊ねるが、そこにサタンが現れると、ネビロスとサルガタナスは企みがバレぬよう従順な態度をとる。サタンは、二人の態度は意に介さず魔鏡を探すよう命を下し、フルーレティにはガブリエルを魔に落とすよう指示を与える。
キラと秀はグリンの母エルダの護衛でグリンの屋敷にいたが、グリンは帰宅しなかった。二人はグリンの部屋から鬼が発せられていることに気付き秀が確認に行くと、金庫の中に魔鏡が納められていた。そこにサルガタナスが現れ戦闘となるが、秀は魔鏡に力を吸い取られ劣勢に追い込まれる。キラが加勢に現れるが、その隙をつかれエルダを人質に取られ魔鏡と交換でエルダを助け出す。サルガタナスは、ギザのピラミッドに逃げ込みネビロスとアガリアレプトと合流、魔鏡を使いサタンを捕らえる罠を張る。
魔鏡が敵の手に渡ったこともありダンテらは、八咫の鏡で鏡をよみがえらせることを急ぎ、ジェンセル王のピラミッドで再生の儀式を行うことにする。ピラミッドの玄室で4つになていた八咫の鏡を再生し、鏡の体へ霊力を注入する。ピラミッドの外で、GEHENAの攻撃が始まる。李の必死の応戦に天使らが加わる。永劫の闇の中で八咫の鏡の光を見出した鏡は、抜け出すことに成功する。
一方、グリンは、ファジーラと再会する。彼女が何を考えているか解っているグリンは、何処までも一緒に行くと言う。外へ出るとサルガタナスが待っていた。サタンの前に跪くグリンにサタンは、ピラミッドに向かったダンテらを排除するよう命令する。グリンはファジーラのためにその指示に従う。グリンはピラミッドの前でダンテらと戦うが、八咫の鏡の力を手に入れた鏡も現れ不利な状況に追い込まれる。そこに負傷したフルーレティが現れ、グリンが駆け寄るがフルーレティは招魔の剣によって死の淵にいた。ダンテらが二人を囲み、グリンにフルーレティを光に返すよう言い、鏡は銀の剣を差し出す。グリンはフルーレティを光に返す。
ギザのピラミッドでは、再生の儀式を行うため玄室に向かっていたサタンは、魔鏡の異変に気付くが、ダンテらが再生の儀式を成功させ鏡が復活したことを知ると、サルガタナスらの罠を警戒しつつも玄室に入る。サタンは魔鏡が作り出す霊力を浴び右手が再生すると思われた瞬間、サタンの姿は消えてしまう。玄室には、サタンが罠に落ちたことを喜ぶサルガタナスらがいた。
クフ王のピラミッドは消え去り、バベルの塔が現れるが、蜃気楼の如く消え去る。