■レビュー内容
「いつの間にか、友達の得意札が自分の得意札に」
奏VS駒野戦は名勝負でしょう、スポ根的な展開、グッときます。一方、運のない太一の運命戦、最悪だぁ、嫌味の一つも言いたくなるよなぁ。でも、頭が良くってイケメンでスポーツも出来てお金持ちで…って持ち過ぎだろっ。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
千早は、原田先生に言われたことが気になり部活に身が入らない。部員たちは、悩みなど10秒で忘れてしまうはずの千早が悩んでいる姿に驚く。駒野は、対千早戦での札の奪取率を見せ千早の弱点を指摘、奏は、速い取りのせいでお手つきの多いことを「なにわえ」と「なにわが」を引き合いに出し、札とのつながり方を披露する。千早は、原田の指示の意図を考えるのだった。
瑞沢かるた部は、全員でかるた大会へ出場する。千早は、かるた歴35年のベテランと対戦。速いわけではない相手に苦戦、「速いだけの子に当たれて」ラッキーだと言われてしまう。千早は、苦戦の理由を必死に探すのだった。
早々に負けてしまった千早とは対照的に、駒野と奏はD級決勝へ、太一と西田はB級決勝へと進出する。どっちの試合を見るべきか迷う千早は、奏の姿勢の良さに気付く。筋トレの成果ではなく袴のお陰だったが、奏の取りは良くなっていた。千早は、初心者からともに頑張ってきた二人の対戦に見入るのだった。
結局、D級は奏が、B級は西田が運命戦を制し優勝を果たす。奏と駒野はC級へ、西田は念願のA級への昇格を果たす。太一は、またしてもA級への昇格は出来ず、新と同じ土俵で戦おうと必死になるのだった。
千早は、速く取るなと言う原田の意図が、札にあった取り方、呼吸にあるのではないかと気付く。がむしゃらに速くではない取り方を身に着けようとしていた。練習を再開した新は、名人戦予選に出場を決めるのだった。
そして太一と新は、吉野大会で再会するのだが…。
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
(たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ)
田子の浦の海辺に出て、真っ白い富士山をあおぎ見ると、その高い峰に雪が降り続いている。
歌番号:4、作者:山部赤人、出典:新古今集冬675、上決まり字:たご、下決まり字:ふじ