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ジゼル@ きれー 光と影と緑のコントラストがきれい(^^)
2011.12.19
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 桃源郷:秘密の小瓶5


 ~癒し~


通鷹と仲のよさそうにみえた女性が、高時のとっていた仮の
姿だったことがわかり、リンは一気に肩の力が抜けました。
安堵の息を吐いて、リンもお箸を手に取ります。

それと同時に、もうひとつの疑問が思わずリンの口を
ついてでました。

「小瓶の中には何が入ってるの?」

「小瓶?」

おそばをすすりながら、高時が聞き返します。
リンが家を掃除している時に、黒髪の美しい女性が渡した
クリスタルの小瓶がでてきたのだと語りました。
一瞬にして、通鷹の顔が険しくなります。

「あけたんですか?」

通鷹の気迫に圧倒されて、リンは首を振ります。
通鷹のものだと思ったし、なにより厳重に封印されていましたから、
中身を伺うこともできませんでした。

「あとで聞こうと思って」

香水か何かかと問いかけるリンに、通鷹が視線をそらします。
高時は無言のままおそばをかっこむと、立ち上がりました。

「腹も膨れたし、それじゃあ俺は帰るかな」

「え?もう?」

二人のおかしな様子にリンは目を白黒させます。
一体、あの小さな小瓶になんの秘密があるというのでしょう。
不安そうな顔をするリンの頭をくしゃくしゃとなでて、
にっと笑います。

「あとで通鷹に聞いてみろ」

「な…っ!」

「構わないだろう?」

からかうような高時の口調に、通鷹は憮然とします。

「リンの気持ちが大切ですし」

「確かめてもいないくせに」

どこまでも生真面目な様子を崩さない通鷹に言い放ちます。
なんの話だかさっぱりわからず、リンは二人のやり取りを眺めます。
その時、ふっと薄紅色の花びらが舞って、
明るいお日様の日差しが降り注ぐビジョンがみえました。

懐かしいような不思議な感覚がリンの体をあたたかく包み、
すうっと涙が零れ落ちました。

「リン?」

「どうした?」

高時がしゃがみこんでリンの背をなでます。
その大きなあたたかい手に、懐かしさを感じました。
前にもあったような不思議な感覚に、リンは高時に向かって
微笑みます。

「うん、大丈夫。大丈夫だよ、兄上」

リンの言葉に一瞬目を見開いて、それから、そっかと
微笑みます。


薄紅色の花びらの中で、三人で仲良くお団子を食べた時のことを
思い出します。
その時もやっぱり、自分にはわからないことで口論していたことを
リンは懐かしく思ったのでした。


日が沈み、夜空に星がきらめきます。
ちゃぶ台の上には三人分のどんぶりがならんでいて、
三人分の湯飲みから、ほっこりと白い湯気が立ち上っていました。



つづく





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Last updated  2011.12.19 08:53:43
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