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ジゼル@ きれー 光と影と緑のコントラストがきれい(^^)
2011.12.24
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カテゴリ:【物語】はじまり

 はじまり 38


 ~嘘~


薔薇の咲き誇る庭園を、キール王子とクローディア姫は、散歩をしていました。
この一年で、すっかりおしとやかになったクローディア姫の手を、
容姿端麗なキール王子が引いて歩きます。

その後ろを側近であるヨウメイとソウが付き添う姿は、まるで一枚の絵画のようでした。

もうすぐ結婚を控え、二人はすっかり打ち解けていました。
もともと、仲の良い間柄でしたので、軽い気持ちからキール王子は口を開きました。

「クローディア姫、覚悟は良いですか」

相変わらずの生真面目な口調に、クローディアは内心吹き出したい思いをこらえて、
微笑みます。

「あら、キール王子はどうですの?」

苦笑いしてから、クローディア姫の瞳をじっと見ました。

「あなたに、心残りがあるように見えたので」

一瞬、微笑みが崩れました。すぐに気持ちを立て直して笑います。

「心残りなんかありませんわ」

ずきずきと痛む胸に気づかないよう、口ばやに言い切りました。
その様子に、キール王子の表情がすっとさめます。

「僕は、嘘は嫌いです」

射抜くような視線にたじろいで、クローディアは顔をゆがめました。

「王子!」

二人の側近を視線で黙らせて、キール王子はハンカチを取り出します。
薄いブルーの瞳からぽろぽろと涙をこぼすクローディアの瞼に、
そっとハンカチをあてました。

「少なくともあなたには、似合いませんよ」

穏やかな口調で諭すキール王子に、思わずすがりついて泣きました。
子供のように泣きじゃくるクローディアを、愛しそうに抱きしめます。

背後では、額に手をあてて空を仰ぐヨウメイと、
大きくため息をつくソウが突っ立っていました。


つづく







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Last updated  2011.12.24 10:00:03
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