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はじまりのひと6 ~法則~ 『周波数とか、波動とかこちらでは呼んでいるのだけれどね』 ルナの言葉を引き継いで、ロイが口を開きます。 『周波数…波動…』 聞きなれない言葉に今度はソウが顔をしかめました。 そのような話を、どこかで聞いたことがあるような気がしたからです。 『古代では、星読みや月のエネルギー、太陽のエネルギーと波長を あわせる事で、人のなかのエネルギーを活性化させるなどあったと、 読んだことがあります』 それから、ふと以前に王宮の禁書の棚で、ジュワルクールという 不思議な存在と話したことがあると話しました。 関係ないかもしれませんが、と付け加えたソウにロイは瞳を 輝かせました。 『ジュワルクール、真実を探究する…だね』 その昔、実際に存在していて、真理を探求しようと 思う者をサポートしていたことを語ります。 『では、今では存在しない?』 眉をひそめて尋ねると、ロイが楽しそうに笑います。 『いつでもどこでも存在するよ。彼は、真実を望む者のそばに 姿を見せうるのだから』 そういえば、王宮に伝わる国宝、時計の記述を探しいた時だったと 思い出します。他にも、古書や昔の古い文献を読むのが 好きだったし、城内の忘れ去られてしまったような話や 地下の迷宮を調べることも好きでした。 『そう、つながってたのね』 『つながる?』 『真実を突き止めようとするあなたの心と、真実を追求する者を サポートしようとするマスターと波長があったのよ』 『それを引き寄せの法則と呼ぶ』 静かな空間に時計の音が響きます。 理解を超えた説明に、みんな不安な気持ちになったのでした。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.12 19:56:53
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