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はじまりのひと 8 ~逡巡~ 話を聞いた三人の頭の中では、多くの考えが駆け巡っていました。 その中で一番最初に口を開いたのは、意外にもソウでした。 『やりましょう』 『ソ、ソウ?』 面食ったようなクローディアの様子に、ソウが微笑みます。 『これ以上、話を聞いても無駄でしょう』 堂々巡りを繰り返すだけだとの言葉に、シキも難しい顔して うなづきます。 『クローディアがいいなら、僕はかまわないよ』 二人の穏やかな微笑みに、クローディアは泣きそうになりました。 クローディアの心の奥で、やってみたいと叫ぶ声があったのです。 一番覚悟が必要なのは、クローディアだろうという言葉に クローディアは顔をあげました。 『私、やるわ』 なぜか、涙があふれてたまりません。 シキの肩に頭を乗せて、そっと抱きしめてもらっていると 心が落ち着きました。 それから、ふと顔をあげてロイとルナに最初の疑問を 投げかけます。 『で、どうやったらズレた場所にいけるの?』 その言葉にロイとルナは噴出して、まずは、 体力の回復が必要だと言いました。 『あなたに、覚悟を決めて欲しかったんだよ』 そうすれば、こちらも動きやすいからねと 軽やかに笑うロイをまじまじと見て、思いっきり顔をしかめました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.13 17:33:19
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