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カテゴリ:【物語】祈りの人:癒し人
祈りの人:癒し人 これは、祈りの人の物語のなかで、 リィが施療院に来た頃の話です。 リンク先と合わせて、楽しんでくれれば嬉しいです(^^) ~祈り~ 大天使ラファエルの招待を受けて、リィは山林のなかにある、 施療院へと訪れました。 リィは、怪我をしたことをきっかけに、以前の仕事を辞めたところでしたので、 とても助かりました。 何より、リィは孤児でしたので、寮もあるというこの職場に、 内心ほっとしていました。 怪我の完治を待って、アパートを引き払い、もらった地図を頼りに この施療院に辿りつきました。 もともと持ち物は少なかったので、引越しの片付けは、 すぐに終わりました。 その日は、最初に受付で対応してくれた修行僧と、 大天使ラファエルが、薬草を育てている場へと案内してくれます。 しばらくの間は、薬草を育てる仕事を手伝って欲しいと説明を 受けました。 『私、花を育てたこともなければ、薬草の知識もありません』 心配そうな顔をするリィに、大天使ラファエルはにっこり微笑みます。 『知識は、自然と身につきます』 しばらくの間は、彼から教わるといいでしょう、と修行僧に 視線を向けました。 『どうぞ、よろしくお願いします』 リィは、修行僧に向き直って、頭を下げます。 修行僧もあたふたしながら、頭を下げました。 『信です。こちろこそ、よろしくお願いします』 二人の様子を見て、大天使ラファエルは、にっこり微笑みます。 『後は、頼みましたよ』 そのまま、ふわりと姿が掻き消えて、驚いているリィに、 仕事の内容やここでの決まりごとを話しました。 『朝・夕に祈りの時間をもちます。特定の宗派は?』 『いえ、特には…』 『自分のなかで、落ち着く祈りの詞があるなら、それを唱えてくださって構いません』 『何かないと駄目かしら?』 不安そうな顔をするリィに、修行僧の信が笑います。 『瞑想で構いませんよ』 気持ちが落ち着くなら、何でもいいんですと、 大らかに笑う信に、リィはほっとしたように笑いました。 つづく ********************************* 信(しん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.10 09:26:06
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