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カテゴリ:【物語】祈りの人:癒し人
祈りの人:癒し人 2 ~祈り~ 翌日から、さっそく施療院での生活が始まりました。 朝起きて、身支度を終えてから、礼拝堂のような場所に 向かいます。 すでに集まっている人たちから順に、思い思いの場所に座り、 静かに瞑想を始めていました。 なかには、起きたばかりだというのに、横になって寝ている 者も多く見かけました。 「リラックスするので、寝てしまうんですよ」 初めて見かける光景に、身の置き所がなく、どこに座ろうか 迷っていると信が小声で話しかけてきました。 リィが、口を開こうとすると、信は人差し指を唇の前にあてて、 静かにするよう伝えます。 リィは、こっくりうなづいて、そのまま信に導かれるままに 歩いていきました。 不思議な文様を織り込んだ、更紗の敷物の上に座って、 そっと目を閉じます。 信は、何事かを口の中で呟き始めましたが、リィには、 その文言がよくわかりませんでした。 同じように目を閉じて、じっと座っていると、白い淡い 光がリィの目の前にほわりと現れます。 何で、目を閉じてるのに眩しいの? そう思った瞬間、ぱっちり目が覚めて、礼拝堂のなかには、 リィと信の二人しかいませんでした。 「目が覚めましたか?」 「はい、あの…」 戸惑うリィに、信はにっこり笑って立ち上がります。 ぼんやりとしているリィに、食事にしましょうと手を差し伸べました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.11 08:25:50
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