ハマゴウ(浜栲)は海岸の砂地によく生えている植物らしいのですが、あまり海岸を散歩する機会がありませんので、よく見たことはありません。
先月末に福江島の西端、大瀬崎灯台の立つ岩盤の中に見つけました。
大瀬崎灯台は100mの断崖にありますが、其処に行った時に、群生しているハマゴウの花を見つけました。
断崖の上ですから、砂地は無く少し砂利と土があるだけなのですが、海風に耐えて断崖にあるほんの少しの砂利と土から薄い青紫の花を咲かせていたのです。
一見、草花のように見えますが、どうも樹木であるらしく、健気なものだと自然の営みの凄さを実感することとなりました。
東アジア、東南アジア、オーストラリアまで広く分布、日本では東北地方南部~四国・九州・沖縄の比較的暖かく、日当たりのよい場所に自生する。
高さ約10cm、茎は地面を這い、半ば砂に埋もれて伸びる。砂が吹き飛ばされ、何mも伸びた枝が露出する場合もある。
葉は楕円形で、裏面は白い毛で被われ、対生。花期は7~9月、芳香のある青紫色の花を円錐花序につける。
果実は蔓荊子(マンケイシ)と呼ばれる生薬で鎮痛、鎮静、消炎作用がある。蔓荊子散などの漢方薬に配合される。
枝葉に芳香があり古くは香として用いられたため「浜香」と呼ばれたといい、また「浜這」の意ともいう。