名探偵よ永遠に。訃報 栗本薫
長らく読者としては、遠ざかっていました。だけど、高校時代に読んだ。「優しい密室」は、当時は確実に、私の心の支えの一つでした。心優しい名探偵。伊集院大介は、一つの理想でした。不器用な生き方しか出来ない私にとって、そんな人間にも寄り添ってくれるような彼は、もの凄く憧れる存在でありました。それに、ホームズや江戸川乱歩。そして、ナンシードルーシリーズなどを、夢中で読んで育ってきた私の、初めて読んだ現代物の本格探偵シリーズだったと思います。だから、その印象はとても深く刻まれているのです。その後「天狼星」で、内容に挫折してからは、続きを読むことはできなかったけれど。それ頃までに刊行された本は、多分、ほとんど読んでます。とっくに諦めていたけれど、トワイライトサーガの3巻の謎が、明らかにされないのは、幸せなのか、不幸なのか。「魔界水滸伝」は、一時期凄く嵌ってました。北斗のたーさんが大好きだった。出来ることなら、幸福な結末を迎えて欲しかった。「グインサーガ」に関しては、マリウスとイリスのエピソードが、好きでした。彼らの子供が生まれる前くらいから、離れてしまったけれど。豹頭王の花嫁は、読んでみたかったです。振り返れば、何処かで、意外と影響を受けている気がする。きっと今の私を作ったなかに、確実に含まれているのでしょう。また一つ青春が終わったような、そんな喪失感があります。お疲れ様でした。心から、ご冥福をお祈りいたします。