夫の育児休暇~いいなあ
昨年の12月始めに出産した姪が、2月から職場復帰するということを妹からの電話で知り、びっくりした。私が子育てをした時代ならいざしらず、「子育て支援の重要性」が叫ばれている現代で、きっちり産後休暇だけで職場復帰させるなんてと思ったのだ。さらに詳しく聞くと、姪は現在の職場に転職してすぐに妊娠したため、育児休暇をもらえないのだという。(結婚後何年もたつのだが今まで妊娠しなかったので、姪夫婦も転職直後の妊娠に驚き慌てたらしい)幸い近くの保育園の入園が決まったため、父親が二ヶ月間の育児休暇を取ることにしたのだとか。専業主婦で子育てをした妹は心配そうだけれど、私はそれを聞いて心から「良かったねえ」と喜んでいる。まだ6ヶ月未満の乳児を預かってくれる保育園が、住んでいる場所の近くに見つかったこと。父親が育休を取って妻を支えようとしていること。母親が子育てと仕事を両立しようとしていること。そして、祖母である妹がなにかあれば助っ人になろうと決意していること。そして何より、赤ちゃんがとても元気で育てやすいらしいこと。母乳がよく出ているので、今のところ母乳だけでどんどん育っているらしい。これだけ条件が揃っていたら、きっと大丈夫と心から思うのだ。私自身も6ヶ月から長男を保育園に預けて働いていたから、仕事と育児の両立の大変さはよくわかる。丈夫な赤ちゃんでも、保育園に預けると三歳くらいまでは毎月のように熱を出すかもしれない。病気にもなるだろうし、子どもなりのストレスからの体調の変化もあるかもしれない。それでも、それを一つ一つ乗り越えながら人として育ってゆくのだ。関わる大人たちがいつも愛情たっぷりに接していたら、母親が接する時間が少なくても大丈夫と確信している。こう書いていて、自分の子育ての時代を思い出す。私は仕事を続けたかったし、結婚の条件が「仕事を続けること」だった。しかし、当時の「三歳児神話」に少し怯えていた私は、「もしもこの子達に問題があったら、私のせいだ」と思っていたし、その分だけ気を張って、心にゆとりがないまま育てていたと思う。当時の保育園の保母さんにも、「お母さんの代わりはいないからね」とか、「こんなに小さいのに預けられてかわいそうね」なんて、今から思うと許せない言葉をかけられ、必死に涙をこらえた日もあった。あのゆとりのない時期に、「お母さん、心配しなくていいよ。帰ったらしっかり抱いてあげればいいんだから」と言ってもらえたら、どれほど私は気持ちが楽になったことだろうと思う。幸いに、夫は子どもたちを可愛がってくれる人だったから、帰宅して夫が帰ってきたら、私は炊事洗濯に髪振り乱してもいられた。子どもたちを寝かしつけるのは私の役目になっていて、いつも疲れている私は昔話をしながら自分が先に寝てしまい、「おかあさーん、おきてー」と子どもたちに起こされたり、一緒に眠りこけてしまい、夜中に起き出してお風呂に入ったり洗顔したりしたことも多かった。子育てや家事は私の仕事で、夫には手伝ってもらえたらありがたいという感覚だったし、そもそも育児休暇なんて無きに等しかったと思う。だから、「父親が育児休暇を取るんだって」という言葉には、心から嬉しく思ったし、かつ羨ましく思う。どんなに協力し合っても、楽な子育てはないし、悩みや苦労は多いと思う。それでも、子育てをする中で学ぶことや喜びは多い。いつか姪に会う機会が会った時には、心からのエールを送りたいと思う。私も必要があれば「サブばあちゃん」として助っ人するよ。