名古屋のほうのとある大学の学長さんが、このほど、ご自身のブログで、「
茨城県古河市を調べると、知名度のあるものは何もなし、HPには「東京へ60キロの近距離」とか「関東地方のほぼ中央」とか、こういう表現は、田舎であることのコンプレックスの固まりのようなところが使う。もっと堂々と田舎を誇示した方がかっこいい。」と記したそうです。何か恨みでもあるのかというほどの言い様ですね。
私の感覚では古河駅から1km圏内に住んでいらして「田舎であることのコンプレックスの塊」になっている方は、ほとんどいらっしゃらないように思い
ます。なぜなら、かなり集積している市街地は徒歩または自転車で生活していくにあたってなんの不都合もないですし、通勤や通学やレジャーで必要であれば電車に座って1時間ほど本を読んでいれば、もう東京(上野・池袋・新宿・渋谷などの各駅に直通)に着くのですから。もっと東京に近い自治体に住んでいても、駅まではバスに乗らなくてはならなかったり、乗り継ぎのため結構時間がかかったり、電車も往復座れなかったり、かといって駅の近くは家賃も駐車場もめちゃくちゃ高いという事情の方もたくさんおられるでしょう。
また、「田舎であることを誇示せよ」と言われましても、山や海などの宿泊して楽しむような圧倒的大自然に恵まれた地域が日本中にたくさんある中で、古河が「田舎である」ことをウリにできる、つまり市の主力産業にできるかどうかは、はなはだ疑問です。そもそも、たいていの自治体の中には「都会」もあれば「田舎」もあるものであり、この市は都会に属する、あの市は田舎であるというレッテルを貼ることにはあまり意味がないのではないでしょうか。その市にしかできない役割を果たせばいいと思うのですが。
それよりも、国が現在推進している三位一体の改革や道州制によって将来どのような影響が及ぶのかを冷静に分析して時代に順応しようとしたり、具体的に問題が見えればきちんと政府に訴えるなどして、適切に道を切り開いていくことが重要だと思います。たとえば、税源移譲をされると現在の構造では税収が低下しないか、道州制で北関東に分類された場合どのような役割が演じられるか、どんな産業政策・雇用対策をとれば財政基盤が安定するかなどをしっかり検討することをお願いしたいと思います。