埋もれ火のアンソロジー

町の様子が常に変わっている。

変わることになれてしまった僕の感覚は何も反応しない。

かみさまの社がある神社は建て替えなどはあっても

その杜はほとんど変わらず残っている。




このギャップに気づいたのも神社めぐりのおかげかもしれない。



上の写真のセイタカアワダチソウの空き地は

トリヤス久山のすぐ近くなんだ。

トリヤス久山は今日など駐車場いっぱいで

車を止められない車がウヨウヨしていた。

その昔は、普通の緑の田んぼだったんだ。

その畦道を僕ら親子は風をきって自転車で走ってたんだ。



いっぽう上の空き地にはＡコープというお店があったんだ。

向こうに見えるデーリーと仲良く商いをしてたんだ。

僕は平等にどちらの店を利用させてもらっていた。

デーリーではタバコを買った記憶が多い。

Ａコープでは何を買っていたか忘れたなあ～



その後、Ａコープが店を閉じた後、

ラーメン屋さんになったり、

骨董屋さんになったり、

あれこれ様変わりしながらお店が営まれていたんだ。



ところが、僕が知らないある日、

火事！



焼け跡の家屋を最後に見たのがいつか思い出せない。



そして、今の姿がこれだ。



人間も平均８０年でこの肉体を離れるのだが

人間が造ったものもいつかは消滅するようだ。




僕の家だって２５年前は新築だった。

今はもう屋根も壁も水まわりもすべてガタガタである。



死んだ親父が、僕の家を眺めてつぶやいた言葉を思い出す。

「３０年もてたら上等だろう・・・」



おいおい、親父よ！

３０年もてなさそうだぜ！





時代は変わる！

byボブ・ディラン

時代は変わる