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2023.10.06
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カテゴリ:自然科学一般


 今年のノーベル賞自然科学3賞は、4日の化学賞の発表で終わった。結果的に期待した日本人科学者の授賞はなかった。目立つのは、アメリカの科学者で、さすが世界1の科学大国とうならされる。

​◎一般には知られていないが重要な基礎研究者たち​
 生理学・医学賞については、昨日述べた。授賞者は、mRNAを利用した武漢肺炎ワクチン開発者のカタリン・カリコ氏とドリュー・ワイスマン氏だったから、どこのメディアも大きく報道した。
 それに比べれば、3日発表の物理学賞と化学賞は、授賞理由となった研究も地味だし、授賞者も専門家でないと知らない科学者ばかりだった。ただノーベル賞は、なかなか日の当たらない重要な基礎科学研究者の長年の労苦による傑出した業績を顕彰する目的があるから、ノーベル賞委員会の見識に脱帽である。

​◎アト秒という想像を絶する超々短時間のレーザーを使って​
 物理学賞は、2020年を最後に宇宙物理学の授賞が無いから、今年は久しぶりに宇宙物理学かと思ったが、またも物性論による応用研究だった。
​​ 受賞理由は、聞き慣れない「アト秒科学」の3氏。アメリカ、オハイオ州立大のピエール・アゴスティーニ名誉教授、ドイツ、マックス・プランク量子工学研究所のフェレンツ・クラウス教授、スウェーデン、ルント大学のアンヌ・ルイリエ教授(写真左からアゴスティーニ氏、クラウス氏、ルイリエ氏)。



​​ 「アト」というのは、100京分の1、ということ。つまり100京分の1秒という超々短時間での物理現象を扱う。3氏は、このアト秒単位で光るレーザーの研究に貢献した。
 この超々短時間だけ光るレーザーをカメラのフラッシュのように使って、物質中を動き回る電子などを観察する。

​◎「アトテクノロジー」の扉を開く​
 1987年にルイリエ氏は特定の気体に赤外レーザーを当てる手法でアト秒レーザーを作り出すための基礎的基礎技術を開発した。アイザック・ニュートンの喝破したように、偉大な発見も、先人の「巨人の肩に乗って立つ」ことによって成し遂げられる。ルイリエ氏の発見が呼び水になり、2001年にアゴスティーニ氏とクラウス氏が、それぞれ数百アト秒間隔で連続してレーザー光を生成することに成功した。
 アト秒科学の応用は、これからだ。いずれ「ナノテクノロジー(ナノは10億分の1)」から「アトテクノロジー」が開花していくことだろう。ノーベル賞委員会は、その先取りをした。

​◎量子ドットという極超ミクロの半導体​
​​​ ノーベル化学賞の授賞者は、「量子ドットの発見と合成」のアメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)のモウンジ・バウンディ教授、コロンビア大学のルイス・ブラス名誉教授、旧ソ連出身で現在はアメリカのナノクリスタルズ・テクノロジー社のアレクセイ・エキモフ博士だ(写真左かバウンディ氏、ブラス氏、エキモフ氏)。エキモフ氏は、生理学・医学賞のカタリン・カリコ氏と同様に、旧共産圏からの頭脳流出組だ。​​​



 量子ドットとは、電子を閉じ込めて発光を調節できる半導体のナノサイズの微細結晶で、うまく調整できれば鮮明な色を出すディスプレーに応用できる。既に量子ドットを使ったテレビをサムスンやソニーが商品化している。
 エキモフ氏は、旧ソ連の国立研究所にいた1980年代初めにカドミウムなどを使って、ガラスの中に量子ドットを初めて作った。それに刺激されて、ブラス氏は80年代に微細な結晶が液体に混ざった状態の扱いやすい量子ドットを開発した。さらに93年に、バウンディ氏は、大きさの揃った高品質の量子ドットの合成法を開発した。

昨年の今日の日記:「ノーベル生理学・医学賞受賞の分子人類学の創始者スヴァンテ・ペーボ博士の業績」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202210060000/​






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Last updated  2023.10.06 06:18:54



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