震災時のインバウンド対応
14日、広州のショッピングモールで現場研修を終えて反省会の時のこと。私の中国のパートナーで国際添乗員の朱さんのスマホが着信の音が鳴り続けました。(正確にはバイブにしてましたが…)休憩時間に確認すると、朱さんの後輩たちで、現在、熊本、大分にツアー中の添乗員たちからの連絡でした。私たちは、昨年から中国の旅行会社からの依頼で、新人添乗員たちの研修を担当するようになりました。毎年、増え続ける訪日旅行客。しかし、肝心の日本語が話せる添乗員が不足しているのが実情。日本語が話せる人がいたとしても、たいていは、元日系メーカーの工場で通訳をしていた…という人がほとんどで、旅行業界の人はほとんどいません。日本語は話せても、日本のことはほとんど知らないわけです。仮に観光地やそれにまつわる歴史は覚えても、添乗員はサービス業なので、そちらのスキルが追い付かない…そんな感じでした。私たちが特に力を入れたのは、ズバリ「震災時の対応」です。東日本大震災の教訓です。あの時も、添乗員や現地のガイドがパニックしてしまい、トラブルが多発しました。その教訓を指導に活かしてレクチャーしました。例えば持ち物も、添乗中のモバイルバッテリーは10000mAh以上で、できればソラー付きの大型容量を持参の徹底。いざという時に連絡がつかない…のは最悪なので。パニック防止のためです。さらに役に立ったのは、訪日旅行を担当する添乗員同士のSNSのグループチャットです。普段は、「雨が強くなったので、この辺で他にお勧めスポットはないです?」などの相談がアップされると、土地勘がある経験者がアドバイスをアップする…という具合です。これは特に傷病人がいる時にも役に立ちます。「この辺で、中国人客対応OKの病院知りませんか?」「○○病院ならOKです」などのやり取りがあります。もちろん、私にも質問が来るので、わかる範囲で答えるようにしています。今回はこのSNSグループが大変役に立ちました。運悪くこの時、熊本や大分でツアー中だった添乗員は、たまたまキャリアの浅い新人たちで、土地勘もなく、皆地震も初めての体験。それで、各自が一斉にチャットで質問し、それに先輩たちがアドバイスする…が繰り返されていたわけです。私たちがすぐに指示したのは、旅行客への今後の対応でした。パニックする旅行客に落ち着いてもらうために、添乗員がこれからやろうと思っていること、仲間からのSNSのバックアップの体制、日本の震災時の避難の流れ手持ちの物資の確認避難所、補給所の確認…などを説明してもらいました。さらに、提示ごとに最新情報の伝達。誤報に惑わされないため、SNSの使い方も細心の注意を払いました。「多分…」の表現があったら、すぐに指摘して削除する…ことです。情報の出どころがハッキリしないものはNGにして、いかに正確な情報を現地の添乗員に送り続けるか?が重要です。地震発生後3時間後には、震災に関する各種情報が中国語で一目でわかるリストを一覧化して各自に配信しました。教訓は、現地のガイドさんたちがこうした教育を受けている人いない人の差が激しいこと。講習で受けたことある、、、程度の人は実際にはパニック気味になります。情報伝達もいい加減になりがち。この辺は、受け入れる日本側の強化が求められます。また、改めて感じたのは、言葉が通じない環境の中での震災は本当に恐ろしい…ということ。この4日間のやり取りをしっかり分析して、今後に役立てたいと思います!★レジャーサービス研究所のホームページ★中国人観光客にもっと売る新“おもてなし術”価格:1,470円(税込、送料別)