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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:マスコミ試写
築地のソニーピクチャーズ試写室にて、アンソニー・ホプキンス主演の「世界最速のインディアン」を見た。
この作品は、10月に行われた「第十九回 東京国際映画祭 特別招待作品」として上映されているので御覧になった方もいるのではないでしょうか。 ![]() 世界最速のインディアン スタンダード・エディション 映画の話は、ニュージーランドで暮らすバート(アンソニー・ホプキンス)の夢は、伝説のバイク“インディアン”でライダーの聖地アメリカのボンヌヴィル塩平原で世界記録に挑戦すること。年金暮しの彼は倹約に励み、隣家の少年(アーロン・マーフィー)の協力も得て廃品を利用してバイクの改良を試みるが、なかなか渡航費まで手が届かない。 御年68歳のアンソニー・ホプキンスが、68歳にしてバイク世界最高時速305.89キロを打ち立てた実在の人物バート・マンローを演じたヒューマンドラマ、監督は「13デイズ」のロジャー・ドナルドソン。 しかし、この映画の主人公バート・マンローを知っている方は日本にどの位いるだろうか?私は映画を見て初めてこの人物を知った。 映画は、ニュージーランドの南端の町でひたすら40年前に買ったバイクを改造するバートの生活が描かれる、自伝映画の典型としてバートの変人ぶりが映し出される、早朝からバイクの改造をする音で近隣住民を困らせ、隣の家に植えてあるレモンの木に小便をかけ「人間の小便は一番の肥料だ」と豪語し、庭の雑草が伸びて荒れ放題の苦情を受ければガソリンを撒いて火を付け、消防車も出動するボヤ騒ぎを起こすが、何故か周りの人間に好かれている、特に隣の家の男の子バートが大好きなのが微笑ましい。 年金暮らしのバートの夢は、ライダーの聖地であるアメリカのボンヌヴィル塩平原で世界記録に挑戦する事になるのだが、このレースの事が詳しく説明が無いので日本人にとって何の事やら判らないのが難点、とにかく塩平原は地面が何処までも平らで地面も固くバイクを走らせるのには理想の土地らしい。昔、日本テレビの「アメリカ横断ウルトラクイズ」の中の「ばら撒きクイズ」の舞台として使われていた場所と同じだと思うのだけど、ちょっと自信は無い。 アメリカに行く旅費のために、バートは家を担保に銀行から借金をして心筋症と前立腺の病気を抱え、貨物船にコックとして乗船して愛車「インディアン』と共にアメリカに向かう。 ロサンゼルスに到着後は、いかにもアメリカ人らしいタクシー運転手に始まり、売春婦、ニューハーフのホテルフロントマン、中古車ディーラーらとのカルチャーギャップが描かれ、ボンヌヴィル塩平原へ中古車での旅が始まるのだが、砂漠の真ん中での事故で本物のインディアンに助けられ、修理で立ち寄った家の未亡人と仲良くなったり何処までもラッキーなバートが描かれる。 そしてボンヌヴィル塩平原に到着したバートには予期せぬ出来事が待っていた。 映画の感想、とにかくこの映画の中に悪人が出てこない、誰もがいつの間にかバートに引き込まれて行く姿を見ていると段々胡散臭く感じた。確かにバートは素晴らしい人間かもしれないが、負の部分も描かないと映画として面白みに欠ける、それから、どの映画もそうだが行きは丁寧に描くのに、帰りはあっという間に帰ってきてしまうのが不満、人の人生を2時間7分に詰め込むのは無理だと判るがいい事ばかり描いて見ている者が楽しいかというと、そうでもないと感じた。 ![]() ![]() 「世界最速のインデイアン」に登場する「インディアン・スカウト」のレプリカモデル。 [追記] 12月25日付けの、インターネット新聞「JANJAN」にて試写会記者として私が投稿した「世界最速のインディアン」の記事が掲載されています。良かったら読んでください。 名優アンソニー・ホプキンスの関連商品はコチラをクリック。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
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