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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
20日、九段会館にて「ジャンパー」を試写会で鑑賞した。
試写会場は大混雑で1,2階席は満席。席に座れない人たちが私の座った2階席にも溢れ、壁沿いに立ち見が出てしまっている。主権者は多分空席だったと思われる3階席に立ち見客を誘導するべきであったと思うのだが・・・。 ジャンパー <特別編>(DVD) ◆20%OFF! 映画の話 ミシガン州の高校生デヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)は、自分にテレポート能力があることを発見。母が家を出て以来、人が変わった父との生活にうんざりしていたデヴィッドはニューヨークへと向かい、瞬間移動した銀行の金庫室で大金をせしめる。しかし、そんな彼を謎の男ローランド(サミュエル・L・ジャクソン)がつけ狙い……。 映画の感想ネタばれあり。 うーん、なんだかなぁ・・・。 映画冒頭に不慮の事故で主人公デヴィッドが“ジャンパー”(瞬間テレポテート)してしまう行辺りまで面白いのだが、テヴィッドが成長してヘイゼン・クリステンセンに変わってからが頂けない。自分の力を利用して銀行の金庫にジャンプしてお金を盗み、豪勢な暮らしと無駄な世界旅行を楽しむ行動が共感出来ない。やっている事は透明人間に近い行動である。それからヘイゼンに変わった直後は無駄にジャンプしすぎ。 まず、ジャンパーのバックボーンが描かれていないのでその原理も判らないのと、ジャンパーを抹殺する為に出来た組織“パラディン”の存在も良く判らない。セリフによるとジャンパーを相当前から抹殺し続けていた組織らしいのだが、そのシーンを絵で見せない。この監督は基本的に大事なシーンをセリフで喋らせて絵で見せないタイプの監督で、アクション畑から来たせいかSF心は微塵も無いようだ。このように細かいディティールも絵で見せる事で映画に深みが出るのだが・・・。それからパラディンもそれだけの組織だったら基地くらいあっても良いと思うのだがそんなシーンも無い。 映画のストーリーも有って無いようなもので、ひたすらジャンパーとパラディンの戦いが基本軸に、デヴィッド役のクリステンセンと実生活でも恋人のレイチェル・ビルソン演じるミリーとの恋話が絡む程度で、その物語も面白くない。唯一面白いのはテヴィッドの先輩ジャンパーになるジェイミー・ベル演じるグリフィンの存在が話しに膨らみを持たせているのだが、グリフィンの両親もパラディンに抹殺されたらしいのだがそのシーンもセリフだけである。とにかくデヴィッドとグリフィンの親の世代の話も必要不可欠だと思うのだが、この監督にはそんな事を描こうとする意欲も無いらしい。なのでデヴィッドの母役のダイアン・レインも中途半端な存在になってしまう。それから「スリザー」で大活躍だったマイケル・ルッカーもデビィッドの父役で出演しているが見せ場無しで残念である。 まぁ面白と言えば日本人にとっては東京のシーンが面白いだろう。しかし映画の中に描かれる東京の町はシーンのつなぎ方が滅茶苦茶で、駄目なスクリプタ&編集のせいで摩訶不思議な東京の街が出来上がってしまった。まず中華料理店にジャンパーしてきて外に出ると夜の渋谷駅前のスクランブル交差点で、地下鉄の通路から階段を上がると銀座四丁目の三越前なのだが、カメラを切り返すと渋谷のスクランブル交差点で、ベンツ車をディーラーから盗み走り出すと新宿西口の大ガードをくぐり、チョッと走ると秋葉原のドンキ前で、また新宿に戻り、また秋葉原の中央通りで、朝のレインボーブリッジで終わると言うコースである。いくらジャンパーと言えども細かくジャンプをしすぎである。外国の人から見ると東京の街はみんな一緒と言う安直な考えが前面に出てしまったシーンである。 それから「スター・ウォーズ」ファンから言わせてもらうと、アナキン・スカイウォーカー役のヘイゼン・クリステンセンと、アナキンの上司に当たるメイス・ウィンドゥ役のサミュエル・L・ジャクソンのガチンコ勝負は別の意味からして面白い。ローランドと言う役は「EP3」でアナキンに殺され恨みを晴らすメイスの分身のようである。ヘイゼンの黒い服にパーカー姿を見ると不覚にもアナキンを連想してしまうのは「スター・ウォーズ」ファンのサガである。 映画全体を見ても上映時間もたったの88分。もっと描かなければいけない事を省略してしまったせいで、何とも映画としての面白みに欠ける作品に仕上がってしまった。予告編を見て期待しすぎたのが駄目だったのかもしれない。 映画「ジャンパー」の関連商品はコチラをクリック。 【DVDソフト】スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐 [DVDソフト] スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃 ニュースの天才(DVD) ◆20%OFF! 【DVD】Mr.&Mrs.スミス アンレイテッド・エディション/ブラッド・ピット お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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