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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:ブロガー試写会
今回の試写会は劇中に登場する新聞社“ワシントン・グローブ社”日本支社に登録した市民ジャーナリストを招いた試写会で、なんとマスコミ試写より早いブロガー試写会だそうだ。上映前には「鑑賞の心得」、超簡単な「カルトクイズ」があっての上映となった、客入りは満席だ。
Bungee Price DVD 洋画消されたヘッドライン 【DVD】 映画の話 ワシントン・グローブ紙は国会議員と亡くなったある女性のスキャンダルとは別に、同じ日に起きたもう一つの殺人事件との奇妙な関連性を発見する。敏腕記者カル(ラッセル・クロウ)は、編集長(ヘレン・ミレン)に渦中のコリンズ議員(ベン・アフレック)と接触するよう言われる。やがて彼の調査は思わぬ事件の真相に迫っていき……。 映画の感想 骨太な知的サスペンスと言える作品だろう。映画は何の脈略の無い二つの事件が点と線で繋がり、それがやがて国家を揺るがすスキャンダルに発展する物語で、事件を追及する新聞記者が生命の危機を感じながらスクープを物にするまでが描かれる。 本作の主人公は老舗新聞“ワシントン・グローブ社”で紙媒体の新聞記者カルだ。彼は昔ながらのツテやコネを駆使して地道に足の取材がメインのベテラン記者だ。そこにカルの相棒に抜擢されるのがWEB版政治ブログ担当の新人女性記者デラだ。映画は衰退して行く紙媒体のベテラン記者と発展してゆく電子媒体でWEB版の新人記者という、会社内では同じ釜の中にいながらまったく接点の無かった二人が事件の真相を追ってゆく。 本作は08年10月にNHK-BS2で放送されたイギリスBBC製作ドラマ「ステート・オブ・プレイ~陰謀の構図~」(全6話)を映画化したもので、オリジナルが6時間あったものを2時間に圧縮した作品だ。その為に非常に展開が速い。うかうかしていると物語から置いてきぼりを食ってしまうので一瞬たりとも気を抜けない。 物語を導くのはラッセル・クロウ演じるカルであり、入り組んだ物語の中で観客の目線に近い存在に居るのがレイチェル・マクアダムス演じるデラだ。叩き上げのアナログ記者と仮想現実のデジタル記者は最初こそ噛み合わない関係でギクシャクとするが、同じ目標に向かい猪突猛進して行くうちに事件の核心にたどり着く。 しかし映画は記者が警察より先に確信にたどり着いた事により、記者自身の生命の危機や、証拠の隠匿など様々な壁にぶち当たり、スクープを他社に出し抜かれてしまったり、原稿の締め切りをめぐり編集部内でのせめぎあいなど、我々が知りえない新聞作りの裏側も描かれる。 この手の作品は色々と書いてしまうと面白味がなくなるので、事件の概要には触れませんが、「ラストキング・オブ・スコットランド」のケヴィン・マクドナルド監督ならではの緊迫感の持続は凄い。しかし、ガス抜きもほぼ皆無の為に映画を見た後は非常に疲れる。難点は事件の背景となるシーンが台詞だけで語られる事だ。台詞で言われた事を想像しながら頭の中で再構築しなければいけなく、情報量が多い作品だけに整理する形で台詞だけのシーンも映像化すればより作品世界を観客が容易に理解できたはずだ。この辺がドキュメント出身のマクドナルド監督のこれからの課題であろう。 映画「消されたヘッドライン」の関連商品 ケヴィン・マクドナルド監督作品 【50万ポイント山分け】ラストキング・オブ・スコットランド特別編 [ブラック・セプテンバー]ミュンヘン・テロ事件の真実 ポニーキャニオン 運命を分けたザイル 敵こそ、我が友~戦犯クラウス・バルビー3つの人生~ / クラウス・バルビー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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そういう試写会があるんですね!
いいな。 ラッセルは不規則な生活してそうな雰囲気が出ててハマり役でしたね。 彼の作品ほとんど観てないと思うんだけれど、なんかいつもデブのイメージ。 もうスリムだったりしまったボディのラッセルなんて見られない予感が・・・。 (2009.06.17 14:38:47) |
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