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読者の皆さんの中にも、きっと株式投資を新しく始める人に株式投資について教えた経験のある人が居るでしょう。
中には何人も教えたという人も居るでしょうね。 もしかしたら、一度に何人にも教えたと言う猛者もいるかもしれません。 実は僕は直接口頭で他人と株の話しをすることを好まない類の人間でして、自分が株式投資をしているという事すら殆ど他人に公表していません。他人と株について話しをする事自体年に数回あるかどうかなので、初めて投資を始める人に株式投資について教えるなど考えた事もありませんでした。 ただ、つい最近ひょんな事からある人に株式投資について教える事がありました。全く何も知らない人で、『いろは』の『い』も知らない人です。『キホン』の『キ』からの説明でした。 といっても、殴り書きしたA4のコピー用紙を渡して『い』と『キ』の説明を5~10分くらいでやる、というのを何日かやった程度。後は変なことばかり吹き込んだくらいです。全部合計しても1時間も洗脳していません。あとは実際売買させてからあれやこれやと当人と違う考え方を色々と説明しただけで、変態投資家の出来上がり。意外に飲み込みが早く思ったよりラクでした。 色々思うことがありましたので、ちょっと何も知らない人に株式投資を教える時の最初の教え方について云々書こうと思います。 興味がなければ読み飛ばして下さい。(いつものように) ファンダメンタル投資家であれば、多くは他人に教える時に 「PERが低い方が割安な株だ」 「株価の下落による損失を抑える為には、PBRが低くて自己資本比率が高い銘柄を買うべきだ」 「絶対に暴騰している株を買うべきではない」 とかなんとか、もっともらしい事を色々言っているのだと思います。 それらも一面では決して間違っている訳ではないのですが、それよりもまず 『株価は常に適正価格だ』 という事を最初に教えて頂きたいと思います。 株式投資に正解はない。こうした方が良い、こうするべきではない、そういう意見は個人的な考えです。 そこから入らなければ、非常に危険な考えを持ってしまう可能性があります。 前々から感じていることですが、2004年~2006年に投資を始めた人の多くは株式投資に正解があると思っている傾向があるように感じます。 その正解をバリュー投資の中に見出そうとしているようにも感じます。 それは大部分がバリュー投資家の責任であると思います。何度かこのブログでも言っていますが、本当に猛省してもらいたい。 本来は株式投資を通じて自分に合った投資を探していくべきです。しかしバリュー投資ありきから入った投資家は、最初からバリュー投資以外の投資手法を否定するようになります。 何故か。 それは、株価はあるべき適正な価格ではなく、適正な価格はバリュー投資家が決めるからと信じ込んでいるからです。 知識も経験も殆どないうちから、株価は間違った価格であってバリュー投資の分析こそ正しく企業価値を見出せると教え込まれた投資家が、最後までこの考えを貫き通せるでしょうか?非常に困難だろうと思います。バリュー投資家を自称している投資家の多くは、驚くほど思慮が浅いからです。業績変動に振り回され、株価が動機付いてから売買する。そのような先人達の姿を見せられて、初志貫徹できる投資家は多くないでしょう。 また、パフォーマンスが良いうちは何も疑問に思わないでしょうが、パフォーマンスが悪くなると不信に思うようになるかもしれません。当然ながら、バリュー投資は常に市場平均を上回ると言う夢の投資手法ではありません。場合によっては何年も市場平均を下回るという事も十分ありえます。バリュー投資の先生からそんな事は教えてもらっていませんので、市場平均を下回るような状況が続くことには耐えられません。 芳しくない運用成績になったその後で、バリュー投資は彼らが自ら選択した手法であるから仕方ない、というのは余りに可哀想です。実際、彼らには選択肢は用意されていなかった。テクニカル分析=投機、ファンダメンタル分析=投資、そしてバリュー投資こそがファンダメンタル分析の王道。皆が皆、そんな風に考えていました。 きっと多くのバリュー投資家は壇上で、バリュー投資こそ唯一無二の王道だ、とばかりに講義をしていたでしょう。その講義はとても素晴らしいものでした。右肩上がりの株価でしたから、先生方は株式投資の分析が楽しくて仕方なかったのです。当時の講義内容を見直す度、今のバリュー投資家のダメさ加減に溜息が出る位です。 そのような状況下ですから、始めて投資を始める人間から視ると、自信満々に自論を展開しているバリュー投資家先生達の云う『バリュー投資』は、正しく真理であるように感じたことでしょう。 しかし、一体それが彼らの罪でしょうか? それは違うと思います。当時は余りに特殊な状況でした。 バリュー投資家は同じ轍は踏まないように、注意に注意を重ねるべきだと思います。 バリュー投資を選択するかどうかは完全に個々の投資家の自由であり、「バリュー投資を選択するべき」という事はないのです。 そうであれば、バリュー投資の悪い面も教えるべきです。ROEの大切さも教えるべきでしょう。 ROEの理解が乏しいのであれば、他人に教える前に自分が確りと学ぶべきです。選択肢を用意しないのであれば、教えるべきではありません。 2003年以前からバリュー投資を行っており、2004年~2006年の間にバリュー投資の良い面だけをインターネット上で広め続けたバリュー投資家は、自分が今何をするべきかを真剣に考えるべきです。 また、2004年~2006年に株式投資を始めた投資家に対して、心から暖かく接してあげるべきです。 その後彼らがバリュー投資を続けているかどうかは重要ではありません。 上昇相場でバリュー投資を始めた投資家の多くが、長い間の下落相場でバリュー投資を続けられなくなったとして、それが一体彼らの非でしょうか? 教える側にかなりの非があったのではないか、と思ってならないのです。 教えた著名な投資家は今どうしているのでしょうか? もし自分が講釈したバリュー投資を貫いていないのであれば、猛省に猛省を繰り返して、何故自分がバリュー投資を貫けなかったかを読者に懇切丁寧に説明するべきでしょう。 それはきっと始めて投資を始める投資家にとって、とても有用な情報になります。 そしてそれは、何れ彼ら元バリュー投資家自身にも大いに役に立ってくるだろう。そう僕は確信しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.08.05 20:12:31
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