カテゴリ:うたのおけいこ
ややマニアックな話題かも知れないが、非常に遅まきながら、最近世界のディーヴァ(歌姫)Enyaにハマっている。
ファンの方には、今ごろ何言ってんのよと笑われそうだが。 この世のものとは思えないぐらい美しい作品群の中でも、とりわけ君のように美しく優雅な(誰に言ってるんだ?)名曲“Afer Ventus”の翻訳に、ここ数日取り組んでみたが、この歌詞は、何とラテン語(古代ローマ公用語)でごじゃりまする!!! make it through(成し遂げる)ことができれば、たぶん本邦初訳(!)になるかも知れないところであるが、私はラテン語の文法入門書は持っているが、辞書は持っていないのである。 無謀とは、こういうことを言う。 ・・・その代わりといってはなんだが、かなり本格的な英和大辞典とイタリア語辞典は持っているので、それを頼りに調べたところ、名詞の類いはある程度解読することが出来つつある。 ほとんど、江戸時代の「ターヘル・アナトミア(解体新書)」を手探りで翻訳した杉田玄白らの「蘭学事始」の世界である。またシュリーマンの楔型文字(だったっけ?)とかエジプトの象形文字(ヒエログリフ)の解読みたいなものである。 まず初っ端、タイトルのイの一番目の単語、Aferが分からない(笑)。 どうやら前置詞くさいが、早くもお手上げである。 ただ、Ventusは、さすがラテン語の正嫡の末裔である現代イタリア語にもよく保存されてて、Ventoが「風」である。 こんな具合で、一行目 Mare nubium. Umbriel.は、 海 曇 蔭 であることが判明した。 Umbrielは、英語Umbrella(日傘)と語源的に関係があることは明らかだ。 また後のほうに出てくるZephyrusは、知っていた。 ゼフュロス神は、ボッティチェルリの名画「春(プリマヴェーラ)」や「ヴィーナスの誕生」にも出てくる、若い男の姿をした神で、地中海地方に春を告げる早春の西風(の神)である。 日本語の「東風(こち)吹かば匂ひ起せよ梅の花」の東風(こち)と、風向きは逆だがニュアンスは似ている。 スペイン語訛りの「セフィーロ」は日産車でおなじみ。 英語訛り「ゼファー」も、確か男性化粧品か何かの名前になっていたと思う。 そんなこんなで、この詞は、エンヤの歌に多い、海と航海、帆船などのイメージ(人生を象徴している)が鏤(ちりば)められていることはだいたい分かった。 全く断念したわけではなく、今後も徒手空拳の悪あがきをしてみるつもりだが、とりあえず皆様には中間報告まで。 ・・と思ってたら、英語Webに英訳が載ってた。 これなら私にも訳せます。ちょっとお待ちを。 ――すごくいい感じの詞なんで、お正月に掲載します。 Afer Ventus Mare nubium. Umbriel. Mare imbrium. Ariel. Et itur ad astra. Et itur ad astra. Mare undarum. Io. Vela. Mirabile dictu. Mirabilia. Mirabile visu. Mirabilia. Et itur ad astra. Et itur ad astra. Sempervirent. Rosetum. Afer Ventus. Zephyrus. Volturnus. Africus. Et itur ad astra. Et itur ad astra. Etesiarum. Eurus. Running verse: Suus cuique mos. Suum cuique. Meus mihi, suus cuique carus. Mememto, terrigena. Mememto, vita brevis. Meus mihi, suus cuique carus. (Translation:African Wind) Sea of clouds. Umbriel. Sea of showers. Ariel. And we go to the stars. And we go to the stars. Sea of waves. Io. Vela. Amazing to say. Marvellous. Amazing to see. Wonderful. And we go to the stars. And we go to the stars. Always fresh. Rosetum. African Wind. Zephyrus. Volturnus. Africus. And we go to the stars. And we go to the stars. Etesians. Eurus. Running verse: Each has its own habits. Each its own. Mine to me, its own to each is dear. Remember, life is earth-born. Remember, it is brief. Mine to me, its own to each is dear. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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