カテゴリ:万葉恋々
作者未詳 少女らにゆきあひの早稲を 刈る時になりにけらしも萩の花咲く 万葉集 2117 乙女たちに行き会うように 夏と秋が行き合う 早稲を刈る時になったらしいなあ。 萩の花が可憐に咲いた。 註 少女らに:「ゆきあひ」にかかる枕詞(まくらことば)。「乙女たちに行き会う」というイメージを含意する。 行きあひ:隣り合う二つの季節が行き合うような季節の変わり目。特に夏から秋についていう。短歌表現では現代でもよく使われる。 この歌にエロティックなニュアンスがあるのかと問われれば、否定できないように思う。ふと、萩の花から『赤いスイートピー』(松田聖子)を連想してしまった。どちらも同じマメ科植物で、花も酷似しているし。 作詞者・松本隆氏は明言していないが、「心の岸辺に咲いた赤いスイートピー」とは、ほぼ間違いなく、心身ともに結ばれた「初夜」の象徴的表現であろう。 平均寿命がせいぜい30歳だったといわれる万葉時代(奈良時代)、男女とも今から見れば早熟で、皆いわば生き急いでいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 19, 2021 09:13:49 AM
コメント(0) | コメントを書く
[万葉恋々] カテゴリの最新記事
|
|