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カテゴリ:碁
死活を大切に
白1オキ。「ノゾキ」というべきか―。いずれにせよ、これを食らってはどうも黒いけないようだ。 これに対して黒3にツグと、白13がうるさい(じつは打っている時は白2とコスんでいいいと思っていたが、黒1の左がうまく、手にならないようだ)。黒3、白13となるとこれはむずかしい。どうも私の研究では黒にとってセキ以上の結果にならないようだ。へたをするとコウになったりする。黒にはコウダテがけっこうあるとはいえ、こんなところは完全な白の花見コウであり、白はごく僅かな得で充分元がとれてしまう(たとえば左下隅の一線の黒石への切りなどでもよい)。なにしろ白は右下は1目も損していないのだから…(コウに負けても、黒が手入れしているので損得ゼロ)。 したがって、実戦黒2は正解。白3ともろに切り、これは大戦果だ。ますます差が開いた。人間だったら精神的ダメージで戦闘継続能力を失っているだろう。しかし、精神的タフさ(笑)だけは絶大な銀星は、なお黒4と着手を継続する。同じCOMでも、天頂だったらとっくに投げているだろう。それにしても、白5に黒6とは、なんとも味悪く打つものである。本譜の見出しに加えて「味悪は避けよ」というのも加えたくなってきた…。白7―ねらいすました必殺の一手…といいたいところだが、じつはこの手は見損じだった。実際、黒10(たぶんこれしかない)に白11として、ここをセキにしたのはヨセとして最大だが、そのあと白13がひどい。つまり、こう打ったということは、ここを白が見損じていたという、動かぬ証拠である。白13には黒15と打てばここはセキである。白13で15ならば黒13でやはりセキ。13と15の点を「見合い」という。どちらか一方を打てばよいということである。ちなみに、白が13を打たずに他を打ったとしても、黒からここをセキでなく地つきの活きにする手はない。白13は、別に損をしているわけではないが、無意味な手であり、ここを11のあとに続けて打ったところが、白のヘボぶりを露呈しているのである。しかし―、 なんとここで黒14…。黒12の意思を継承したのだろうが、こういうときは継承しなくていい。後手でもなんでも、手を入れないと死ぬところは入れておかないといけない。白15となっては、後に黒が1の左にツイだとしても五目ナカデであり、右下隅の黒はトン死である。これでは白の見損じが“奏功”してしまった…。 こういう死活は、きちんと読まなければならない。リードがいくらあっても足りないからである。黒が人間の場合は、14は投げ場づくりの手ということもありうるが、銀星の場合はそうではない。事実、譜のあと黒は終局まで打ち続けたのである。 強調しておきたい。碁で一番大切なのは、死活である。定石など知らなくても、初段程度にはなれるのだ(初段の方できちんと定石をマスターしている方ごめんなさい)。しかし、死活を知らない・読めないでは、どんなに地でリードしていても、ハンデをもらっても、一局の碁に勝つのは至難の技である。まず何から勉強していいかわからない、という方には、ぜひ死活から学ぶことを強くおすすめする。 さて、「初段に五子必勝法」と銘うっていながら、じつはこの碁は四子局である。天元の石が脱けていたわけではない。どうやら銀星(最強銀星DSI)には、魔婆斗に四子は荷が重かったようだ。もしかしたら五子ならばもうちょっと善戦するかも知れない。次局(いつになるかわからないが…)からは、五子での銀星の奮戦ぶりを見ていきたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.03.03 23:56:39
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