「時津風部屋」事件に思う
3ヶ月たって、「事故」は「事件」へと変わった。この事件は、二つの問題が含まれている。若者教育に関するものである。父は、相撲部屋に息子の人間教育を託した。プロ養成の場に、アマチュアを紛れ込ませてしまった。今、この種の齟齬が、さまざまな世界における「教育問題」の中に、数多く存在するのではないだろうか。「監察医」に関するものである。戦後、拡充されるはずであった「監察医」であるが、衰退の一途を辿っている。今回、如何なる経緯で行政解剖に至ったか知らないが、名古屋においては、ほとんど形骸化しているとも言う。もとより、ほとんどの地域で制度そのものが存在していない。東京、それも23区のみが、ほぼ満足出来る状態にある。次が、大阪であろうか。「スポーツ界」に関するものである。ことは、相撲界の話に留まらない。高校野球における特待生問題。大相撲における八百長問題。要するに、スポーツと金の問題である。しかし、政治と金の問題も、存在する。つまるところ、金と人間の問題なのだろう。そして、最終的に「文明と人間」に行き着くことになる。