『ザ・ロード』 The Road
『ザ・ロード』文明が失われて10年。太陽もなく、寒冷化が進み動植物が死滅した世界。そんな世界に残された父(ヴィゴ・モーテンセン)と、息子(コディ・スミット=マクフィー)は、ひたすら南を目指して、歩き始める。生き残ったわずかな人々が互いを食らうという狂気の中でも、父は決して正気を失わず、息子に人としてのモラルを語り続ける。一体全体、何がなんだか…。なぜ、世界がこうなったのか。なぜ、2人は南を目指しているのか。南に何があるのか?妻はなぜいないのか?その辺の謎は説明もなく、最後まで謎のまま。暗く陰鬱な映像の中で、ただひたすら旅を続ける父子。食べるものも尽き、人が人を襲う世界で、父は子を守るため、必死で息子の体を守り、必死で息子の心を守り。息子も、自分が父親の全てだと知り、必死で父親についていく。心の中に火を持っているんだ、と。いざとなったらこれで自分の命を絶てと渡された銃を持って。何日も食べ物を口にできず、地震に怯え、人の気配に身を潜め。こんな世界、生きていたってしょうがないわな。ついてこなかった、多分死んでしまったんだろう妻の気持ちが、分かる。こんな世界で子供なんて産みたくないと言った妻の気持ちが。ラスト、君たちをずっと追いかけていた、という男。私たちと一緒になれてよかった、と言う女。その言葉の意味は?父親と一緒にいるべきではなかった、ということ?エンドロールでの、大人たちの声、子供の笑い声、犬の鳴き声、ヘリのような爆音は、どういう意味?救いがあったんだろうか?何から何まで、最初から最後まで、ずっと「?」だった映画でした。『ザ・ロード』 著:コーマック・マカーシーランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー