カテゴリ:日常
はやいもので、お正月ももう10日ほど過ぎてしまった。
そして明日、11日といえば鏡開きの日である。 昔まだ私が職場にいたころ、11日は総務の女性が作るおぜんざいが大層な人気を誇り、 特に昭和の生まれの男性はにこにこしながら 朝からそわそわとおぜんざいがふるまわれる午後を楽しみにしていた。 そしてその日の話題は、おぜんざいは粒あんで作るべきか、 それとも漉し餡のおしるこ風が好みか 餅は焼いたほうが好きか、それとも柔らかい煮込みがよいのか そんな他愛もない話ばかりである。 会社で作るものゆえ、おぜんざいは失礼だが手抜きそのもの。 まずは井村屋の小豆缶を開け、中身と水を1対1にして砂糖を加えて鍋に入れておく。 それに鏡餅をほどよく包丁で切って食べやすい大きさにしたものをオーブントースターで焼いて 先のお鍋にいれてひと煮立ちさせれば出来上がりである。 この即席のおぜんざいにたくあんがひとり2切れ。 ただそれだけのことなのではあるが、毎年の楽しみなのであった。 和やかなよい職場だったが、ドライな会社と合併してしまったから、 おそらく今はもう、鏡開きをしておぜんざいなどなくってしまっているのだろうなと思うと 寂しい気持ちがする。 10年勤めていようが、20年勤めていようが、送別会一つしない会社だったから望むべくもない。 先ほど手抜きと書いてはみたが、家庭で作る場合もさしてかわりない要領で作っている。 時間をかけて2日前から豆を水に漬け、前日には炊き上げとやればやれないこともないのだけど、 何かと忙しいことゆえ、つい井村屋の缶詰やら出来合いのレトルトやらにお世話になってしまう。 ここ数年、血糖値が高めになってきたこともあって、ある年は黒豆でぜんざいをこしらえてみたこともあるが、雰囲気はでるのだけどいかんせんお味に違和感があって沙汰やみとなった。 昭和のころのおかがみは、 真空パックといえども塊のお餅で包丁で切り分けるのも結構難儀なことだった。 まして、生のお餅でのおかがみはこのころになるときっちりと乾燥してびくともしない。 それなのにしっかりとカビだけは生えるというありがたいものであった。 今のは、プラスチックのお鏡の形の容器のなかに、小さなお餅が個別包装で入っていて、 手間がかからないことこの上ない。 さて、明日のための煮小豆とたくあんを仕入れに行かねば。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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