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カテゴリ:ほろ酔い日記
昨日までの忙殺から解放されて、夏らしくスカッと晴れた空のした車で事務所に向かった。 家から車で5分ほど走った橋の上で、すらっとスタイルのよい若い外国人女性が地図を拡げて見入っているのを発見。好奇心旺盛な僕のことであるから、すぐに車を停めて彼女に声をかけてみた。 すると、嬉しげにすがるような視線を送ってくる。 「どうしたんですか。どこに行くところですか?」と問いかけてみるが、Where am I now? らしき言葉以外喋らない。あれ、日本語がまったくわからないのか、僕は英語がニガテだが、しかたがない知っているかぎりを駆使し「てWhat's wrong with you?」(どうしました、のつもり) ところが彼女は頸を傾げている。あれ、通じない…アセアセ、発音が悪いのか。 彼女は地図を開いて、イズイットフオーアフロムヘアーなどというから、ようやく英語らしいなと思って、それを見るとtumagoと書いてある。ツマゴ…、というと木曽の妻籠のことか…。(えっ、リックサックを背負って妻籠まで歩いてゆくの)と思うのだが、本気で歩こうとしたら同じ信州の隣でも7、80キロはある。しかもアルプスを越えなければならないから、2日はかかる計算だ。 まあ、とりあえず僕の車に乗りなさいと促し、事務所に連れてきた。たまたま事務所にいた妻が、なんでというような顔をしている。もちろん妻も英語どころか、ときには日本語すらまちがえることもある(?_?)。 しかたがない筆談だ。パソコンを開いて、翻訳サイトで筆談をはじめた。 そこでようやく概要がわかってきた。彼女はフランスからバックハッカーとして数日前に日本にやってきた大学生。フランス人か、どうりで僕のカタコト英語が通じない^^; リックサックにはテントが入っているという。 諏訪から来たと言うから、木曽谷に入るつもりが間違って伊那側に来てしまったということだ。 う~んどうする、電車の駅まで連れてって欲しいといっても、伊那から木曽側へは交通機関はまことに不便だ。しかたがない、僕が連れて行くしかないか。 まずは僕と食事をして、それから木曽までおくると伝えた。 彼女はちょっと嬉しいような困惑したような顔をする。 まてよ、いつかフランス在住のブログ仲間のbonbonさんが、フランスでは食事を供にするということは、ベットまでOKと同意語だと言っていたような…。さて、どうしたものか。 いや、妻が一緒ならそんなふうにはとられないだろう。 「山荘で、妻のつくる食事をしてから、木曽に送る」と、何とかかんとか伝えた。 彼女もようやく安心したのか、明るい笑顔を向けてくれる。(あたりまえだよ、Wくんではあるまいしこんなまっ昼間に誘うかよ)と、僕も顔にはださずつぶやいてみる。 ということで、山荘に着いて食事の用意ができるまでの間、ジマンの小径を森樹湖まで案内する。犬のハナもよろこんで着いてくる。彼女も嬉しげに、さかんにムービーカメラで森や湖を撮影している。 戻ると、妻から呼び出された息子が待っていた。ジマンの蕎麦を食べさせたあと、息子が旅程や希望などを聞いている。手振りとカタコト英語でなんとか通じているようだ。どうして、僕のカタコトが通じないのだ…。 それによると、今日はツマゴ、明日はマゴメ宿に泊まって、その翌日には京都を歩きたいとのこと。「オイオイ、京都まではおつきあいできないよ」 とりあえず、もし京都に行って困ったらここに電話をしなさいと親しい文芸仲間を紹介したが、彼女が電話をしても彼も困るだろうなぁ…。しかしまあ、これも良い経験になるだろう、美人だし会って嫌なハズがないと彼のアドレスを書いた名刺を渡した。(Tさん、もしホントに行ったらよろしうに) ということで、思わぬふたり旅ということで木曽路めぐりをしてきた。背の低いオッサンとスラリと美人の彼女が並んで歩いている姿はあまりバランスの良いものではなかったかも知れない。 しかし、僕としてもこんな機会はめったにないから良い体験となった。木曽は、僕もある程度は知っている。ちょっとしたところを案内しながら、無事に最終目的地まで送り届けた。 彼女とは、握手と軽いハグをさせていただいたのは役トクということで帰路についたのだが、迷子の子猫ちゃんを送り届けただけなのに、あちこち案内したからけっこう疲れたのだね。途中で睡魔が襲ってきて、道の駅に停めて1時間ほどシートを倒して寝てしまった。 帰ると、妻が「ゆっくりでしたね、無事に泊まるところ確保できたかな?」と、それとなく聞いてくる。 僕もそれに応えて、「ああ、つい別れがたく途中で寝てきたよ」などとちょっとイミシンに返事をしてみたが、まるで反応なし。そうだろうなぁ、普段から品行方正な僕が疑われるようなことがあるわけないもの…、ツマンナイ。 励ましのクリックを お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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