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みちのくはじめ@ Re:被災地支援(01/07) こんにちは。みちのくはじめです。 私たち…
aki@ Re:被災地支援(01/07) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
msk222@ Re[1]:パレスチナ問題をひもとく(防備録)(10/24) maki5417さんへ 情報ありがとうございます…
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msk222@ Re[1]:リアルすぎて恐いドラマ「THE DAYS」(06/12) ユトプスさんへ ユトプスさん、お久しぶり…

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2022.09.06
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カテゴリ:日替わり日記
所属している読書会で今月に採り上げられたテキスト本は、池内紀著『ヒトラーの時代』。
ナチス体制はなぜ短期間に実現したのか。国民がそれを支持し続けた理由は何か。ヒトラーの政治家デビューから人気絶頂期までを描く。
弱小政党の泡沫候補でしかなかったヒトラーが、いかにしてナチスを率い、上り詰め破滅したのか。
読んでいて気になったのは、現代では悪の権化のように言われているヒトラーの政策である。ある意味で、戦後高度成長期を経て経済大国として上昇していた時代の日本と似ていなくもない。
ヒトラーの評伝を書いたジョン・トーランドは、もしヒトラーが政権4年目に死んでいたら、ドイツ史上もっとも偉大な人物のひとりとして後世に残っただろうと述べている。実際ナチズムが支配した15年間、戦時体制に入るまで普通のドイツ市民は「明るい時代」を享受していた。
例えば、失業者600万→100万、国民所得1.5倍、フォルクスワーゲン、アウトバーン(全長3000Km)、1936年のベルリン・オリンピックなど。また自然や動物にも優しかった。動物保護法、森林荒廃防止法、帝国自然保護法など。
ヒトラーは左手で仔犬の頭を愛撫しながら、右手でユダヤ人や共産主義者を殺戮した。そのことになんのためらいや矛盾もなく。
しかし、やがてその極端な大衆受けするポピュリズム路線は、絶頂から大破綻へと突き進むのである。このへんも、日本の自民党翼賛政治の行く末を予感させなくもない。
特筆したいのは、ナチズムの妖怪さは、異常な人間集団が引き起こしたものではなく、その母体はごく平凡な人びとの熱狂だった。
ヒトラーは普通の小市民によびかけた。いつも「みんなとおなじ」主流派でありたがる人びとに。日和見主義者でコネ好きな小市民に。見て見ぬ振りをする小市民に。
自分が“中庸でまともな人間だ”と勘違いしていた普通の人が、ヒトラーに夢中になった。
このへんは、ずっと自民党政権に入れあげ、保守中庸右派だと無条件に自認してきた大衆と変わらないのである。
この本を読んだ後、島田雅彦氏の著作『パンとサーカス』が、現在の日本を見事に予感していて気になった。少し長文になるが、引用しておく。

以下、引用…………………………………………………………………………………
「テロを誘発した」などと偏見の目で見られることに耐えなければならないし、暗殺後の社会の趨勢を考えると、深い憂愁に囚われる。私の予言が外れた方が、世の中はいい方に向かうのだが、このままでは確実に暗黒時代のドアが開く。ただ、『パンとサーカス』ではそれに対する心構えを提唱したつもりである。多少のワクチン的効果はあるはずなので、不安を和らげるのにもご活用を。また我が身の安全を確保するためにはもう少し売れて欲しくもある。
安倍晋三元首相を暗殺した容疑者の動機は生々しい怨恨だ。旧統一教会に家庭を破壊され、家族一人一人が悲惨な目に遭った男の復讐は、自民党と旧統一教会の癒着を表沙汰にした。元首相はその広告塔を務め、閣僚等の重要ポストにあった34名を含む自民党議員の半数がこのカルト教団に資金や組織票、実働に依存していたという事実に国民はもっと怒るべきだ。
 
憲法嫌いの議員たちは平然と「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」という憲法20条を踏みにじっていたのである。しかも、その事実は以前から知られていたにもかかわらず、事件後もそこに触れようとしないNHKほかマスメディアは、報道の自由度のランクを下げることに貢献している。
 
殺された安倍元首相は顕彰すべき功績などほとんどなく、無駄に最長在任記録を作っただけで、その間に民主主義と経済を破壊した。GDPや民間の所得、年金は下落し、倒産、自己破産は増加、数々の疑惑に対し、国会で虚偽答弁を重ね、公文書の改竄、破棄を促し、公金を濫用し、バラマキ外交に終始し、ロシアとの領土交渉に失敗し、ポンコツ戦闘機の爆買い等、米政府のATMとして奉仕し、改憲と軍備増強を訴え、レイプ事件のもみ消しを図るなどの悪行の方が目立つ。
 
にもかかわらず、戦死した軍人を軍神に奉るかのように、元首相の神格化を政府は率先して図ろうとし、マスメディアが追従している。議論もないまま拙速に国葬を決めたのも、一連の罪状が蒸し返されるのを避けるため、また旧統一教会との癒着関係の追及をかわすためであろう。つまりは臭い物に蓋をするのに国葬を使うという甚だ不謹慎なことをしている。「死ねば、全て免罪」となるのなら、誰も生前に罪を償う気にはなるまい。
 
国葬による神格化にはもっとせこい利害が絡んでいる。自民党内の派閥の均衡を保つため、安倍派に配慮したということもあるが、神輿を失った安倍友たちの生き残り作戦でもあろう。国葬の場でのテロを未然に防ぐ名目で、治安強化を図る意図も見え隠れする。
 
大転向の嵐
今後は大転換ならぬ、大転向の嵐が吹き荒れるに違いない。政権批判をトーンダウンさせることから、言論自粛は始まる。今回の暗殺事件は安倍批判をしていた者たちが誘発したかの短絡や、自民党と旧統一教会の癒着をなかったことにする論調も一部の論客たちに見られたが、そういう「腰砕け」はより顕著になるだろう。右翼による吊るし上げやSNSでの炎上を恐れて、「民主主義を守る」などと紋切り型に終始するような態度も同様である。
 
元々右翼サイドについていた者たちは増長し、さらにリベラル攻撃を強め、自発的服従を競い合うが、リベラルサイドの切り崩しも始まっている。すでに国民民主党や日本維新の会などは完全に自民党の補完政党であり、清和会に近い外部派閥になっているが、立憲民主党の足元もおぼつかず、立民と共産党との協力関係を妨害し、自民党に秋波を送る連合と同じ轍を踏み、宏池会となら組んでもいいような雰囲気になってきた。このように中道リベラルの右への転向が一層進むことによって、全体主義国家への道筋が既定路線となってゆく。ここはリベラルの踏ん張りどころである。
 
権力を持つから権力者なのではない。彼らが威張っていられるのは、人々が真実に目をつむり、自発的に服従するからだ。権力よりも強く、正しいもの、それが真実。真実は誰も欺かず、支配しない。
 
時間の経過とともに世論は変わる。四十九日が経過した頃、暗殺者に対する同情論は出てくるだろうか? 1921年、朝日平吾が安田財閥の安田善次郎を暗殺した際、最初は犯人への非難一辺倒だった世論も財閥の陰の一面があきらかになると、同情論に変わった。これ以後、原敬暗殺、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件とテロが連鎖したが、果たして歴史は繰り返すのか? 自殺の場合は後追い現象が頻発するが、暗殺やテロも100年前と同様、反復されかねない。
 
あってはならぬことが起きる時代
「世直し」に賛同する者、奇跡を待望する者、正義を実行したい人、社会や国家に復讐したい人、このクソな世界の滅亡を希求する者、それら不平市民の潜在的人口はかなりの数に上るはずだが、実際に糾弾の声をあげ、行動に打って出る人の数はその1パーセントにも満たないだろう。絶望した者の多くは沈黙と服従に向かう。耐え難きを耐えるのが美徳だと思い込んでいるのか、思い込まされているのか、何か行動を起こしたところで報われることはないと諦めている。「不幸なのはおまえだけではない。みな平等に不幸なのだ」という不幸の民主主義に甘んじている。
 
世直しを希求しながら、現実にはそれがなされないという絶望が一層深まれば、テロに打って出ようとする者が現れてもおかしくない。もちろんテロはあってはならない。しかし、ありえないことやあってはならぬことがしばしば、政治の世界では起きる。安倍が君臨した時代はその具体例に事欠かなかった。政治の劣化が極まれば、社会もそれに合わせて荒廃する。
 
――世直しゆうても、政治を変えるゆう意味やない。国会議員になったかて何も変わらん。アホな有権者目覚めさすにはショック療法が必要や。大きなサーカスを立ち上げな。サーカスゆうても、空中ブランコでも象の曲芸でもない。民衆の不安、興奮、恐怖、感動を誘うスペクタクルのことや。戦争、祭典、犯罪、天災、疫病、支配者は権力を強化するためなら、何でも利用する。世直ししたければ、支配者が打ち出すサーカスを超えなあかん。
 
『パンとサーカス』にはテロや暗殺を焚きつけるフィクサーが登場し、こんなセリフを呟く。その人物は世直しのスポンサーになり、主人公にテロ資金の援助を行う。だが、山上容疑者にスポンサーはいなかった。
 
復讐や抵抗、暴動や反乱、暗殺やテロは誰にも気づかれないように準備し、静かに、敵の意表を突いて、実行されなければならない。
 
山上容疑者は20年以上もの長きにわたり、怨恨を募らせ、この原則通りに行動した。地方遊説中、警備の薄い奈良・大和西大寺駅前を選び、支持者を装い、背後約6メートルまで接近し、限りなく火縄銃に近い手製の散弾銃で元首相を銃撃し、周囲の人間を一切傷つけず、即死に近い形で死に至らしめた。
 
周到な計画と目的なしに暗殺は滅多に成功しない。このハンドメイド・テロは新自由主義者が好む自助努力の結晶といってもいいくらいである。ちなみに『パンとサーカス』にはテロリズムに走る元自衛官が登場するが、その名前は山上と一字違いの池上となっている。
取り調べでの山上容疑者の供述は微妙に加工されるだろう。あくまで、これは政治テロではない、安倍元首相に対する直接的な恨みではない、精神鑑定の必要があるなどと発表し、犯行動機を意図的に曖昧にし、政治に遠因があることを目立たなくするだろう。
 
事件から一週間ほど経過した頃から山上容疑者のものと思われるネットへの書き込みが出回り、すぐに削除された。韓国へのヘイト発言、安倍元首相の功績を称える文言などを読む限り、山上は「冷笑系ネトウヨ」と見做される言動を意図的にとっていたことがわかる。これ自体が暗殺ターゲットに接近しやすくするカモフラージュだったかもしれない。少なくとも、安倍の批判者がテロを誘発したという風説は山上本人によって否定されたようなものだ。
 
100年前の暗殺の連鎖の時も、戦後の暗殺、暗殺未遂事件のほとんどのケースでも、実行犯は右翼だった。「君側の奸」を撃つというのが戦前の暗殺の動機だが、安倍元首相の祖父岸信介の暗殺未遂は、アメリカに日本を売った売国右翼に対する愛国右翼による逆恨みという側面があった。そしてその62年後、祖父を敬愛する孫が旧統一教会に深い恨みを抱く生活苦のネトウヨに暗殺されたと考えれば、歴史は反復されたというしかない。
 
このまま政治は放置されるのか?
策略の真相は闇に葬られ、真相を暴こうとする者も排除され、テロを実行した者に全ての罪を被せ、一件落着が図られることになるのだ。
 
テロの連鎖は食い止められなければならないが、テロに強烈な動機を与えるような悪政や不正、搾取を改めるより、国家の無法は放置され、監視治安体制と言論弾圧の強化だけが図られる結果になるだろう。今のところ無法国家を抑止する制度も組織もほとんど機能していない。警察も検察も裁判所もマスメディアも国家に奉仕し、市民は沈黙と服従を強いられる。
 
『パンとサーカス』では「テロによって悪政を正すことはできない」と主人公は悟る。政府は「自分たちが正義の側に回ることで悪政を帳消しにできる」と考えるからだ。
 
いくら不正を告発しても、誰も法的処分を受けずに逃げおおせる。検察もマスメディアもたやすく抱き込まれる。国家権力と大企業は癒着し、株式会社日本政府を形成し、公益を無視して私腹を肥やすことに専心する。行政機関と結託すれば、企業の不正や違法は正当かつ合法になるのだから、当事者たちは断固として態度を改めようとはすまい。
 
この暗黒時代に救いを求める先があるとしたら、それは憲法くらいかも知れない。憲法自体が悪政からの解放宣言だったからだ。
 
日本政府はホワイトハウスや国際金融、多国籍企業、CIA、宗教団体などのロビイストが相乗りするバスみたいなもので、首相も大臣も官僚もそれに奉仕する番頭に過ぎない。自民党もその補完勢力も率先して憲法を軽視するが、それは憲法が独裁や戦争、人権軽視を許さない法典であり、市民を守る盾になっているからだ。憲法の条文にはアメリカには絶対服従などとは書かれておらず、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から消し去る努力を宣言している。政府に異議を申し立てる私たちの行動は憲法によって保障されているし、特定宗教と政治の癒着も憲法によって牽制されているのだ。
 
憲法軽視の議員たちは、自分が議員である前に国民の一人であることを忘れているのか? 曲がりなりにも国民の代表であるべき議員がなぜ国民の権利を制限し、安全を奪い、生活を圧迫するのか? それは自分で自分の首を絞めるに等しい。アメリカや特定宗教団体や国際金融の忠実な僕になることで得られる特権を奪われ、路頭に迷った時、何に助けを求められるのか、今一度その欲ボケした頭で考えるべきだ。
 
有権者がこのままカルト政権を黙認し続ければ、自由や諸権利が制限され、賃金も年金も上がらず、飢え死にに追い込まれる危険さえある。売国奴政権が防衛費を倍増したところで、アメリカの軍産複合体が潤うだけで、私たちの安全は守られるどころか、今よりもっと他国の攻撃を受けやすくなる。同じ理屈で考えれば、悪政を続ける限り、テロリストの襲撃に怯え続けることになる。
 
何処を見ても敵だらけ。私たちを搾取し、服従を強いるアメリカ。その忠犬として自国民を虐げる世襲議員たち。彼らに取り入り、権勢を振るう官僚たち。税金を逃れ、富を独り占めする資産家たち。彼らの犯罪を見過ごし、私たちに無実の罪を問う警察、検察、裁判所。私たちは今日、立ち上がり、明日、奴らを追い出し、明後日には新しい国を作る。
 
これに「ただし暴力を用いることなく」とあえて付け加えておこう。





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Last updated  2022.09.06 22:01:12
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