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むらきぃの司法試験受験勉強記

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2018.06.01
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カテゴリ:民事訴訟法の教材

※上記の書影は本文の内容とはあまり関係ありません。


民事訴訟法の基本書は,旧訴訟物理論と新訴訟物理論のいずれかを基調に著されているものが大半です。

そこで,いずれの訴訟物理論を採っているかが基本書選択の1つの判断基準になっているようです。

そして,これまで,

「裁判実務は旧訴訟物理論で動いているのだから,実務家登用試験である司法試験の受験勉強には旧訴訟物理論の立場で書かれている基本書を用いるべきだ。」

とか,

「学説の趨勢は新訴訟物理論だし,新訴訟物理論は旧訴訟物理論への批判から生まれたのだから,新訴訟物理論の立場で書かれた基本書で勉強すれば自ずと旧訴訟物理論についても学ぶことができる。」

など専断偏頗な意見が主張されてきたのを目にしてきました。

しかし,訴訟物理論についていずれの立場を採用しているかという点は,果たして基本書選択の決定的な判断要素になるのでしょうか。


この点,訴訟物論争は民事訴訟法の数ある論点の中の1つにすぎません。

そして,旧訴訟物理論と新訴訟物理論のいずれを採るかは,民事訴訟法の各論点すべてに影響するという性質の問題というわけでもありません。

また,

「訴訟物論争について述べよ。」

というように,昔の旧司法試験で出されていたような1行問題が本試験で出題される可能性は,現在では限りなく0に近くなったと言ってよいでしょう。

そうすると,訴訟物理論に関しては,訴訟物の捉え方と要件事実の理解が本質的な問題となります。

しかし,この問題は,民事訴訟法よりもむしろ民事実務基礎において詳しく勉強する内容です。

そして,裁判実務は旧訴訟物理論を基礎としている以上,民事実務基礎では必然的に旧訴訟物理論をベースに学習することになります。

ですから,民事訴訟法の基本書としては,少なくとも旧訴訟物理論の必要十分な内容と新訴訟物理論からの有力な批判くらいの記述があれば及第点だと思います。

したがって,いずれの訴訟物理論を採っているかという観点は,必ずしも基本書選択の決定的な判断基準にはならないと考えられます。

もっとも,新訴訟物理論についての記載しかなかったり,そもそも訴訟物論争について全く触れられていなかったりする基本書は,司法試験の受験勉強に使うには不適切なのは言うまでもないでしょう。


よって,民事訴訟法の基本書を選ぶ際には,旧訴訟物理論と新訴訟物理論の基礎的内容および新訴訟物理論から旧訴訟物理論への有力な批判程度の記述の有無は確認する必要はあるでしょうが,それさえあれば,いずれの訴訟物理論を採用しているかについては必要以上に拘泥しなくてよいと思います。

旧訴訟物理論を採っている基本書の中にも,新訴訟物理論について分かりやすく解説している本もありますし,逆に,新訴訟物理論を採っている基本書の中にも,司法試験の受験勉強に有益な本は少なからずあります。

私は,訴訟物理論という1つの論点に拘るばかりに,自ら基本書の選択肢を狭める必要は全くないと思っています。


次回からは,民事訴訟法の教材を紹介していこうと思います。


それでは。





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Last updated  2020.07.05 04:10:00
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