ブロッコリーを冷凍保存すると、ビタミンCや美肌に不可欠なルテインの含有量が増加
冷凍すると栄養価が上がる!迷わず冷凍庫に入れるべき食材7選冷凍することで栄養が増す食材が存在する3.ブロッコリーブロッコリーを冷凍保存すると、ビタミンCや美肌に不可欠なルテインの含有量が増加するとされています。生の状態では2~4日で質が落ち、変色することがあるため、食べる予定がない時は新鮮なうちに早めに冷凍することをおすすめします。冷凍保存の手順・ブロッコリーを丁寧に洗い、食べやすい大きさに切り分けます。・ひとつまみの塩を加えた沸騰したお湯で30秒程度、ブロッコリーを軽く茹でます。・茹で上がったらすぐに冷水で冷却し、キッチンペーパーでしっかりと水気を取ります。その後、食べやすいサイズに小分けして、それぞれラップで包みます。・ラップで包んだブロッコリーをジッパー付きの保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて冷凍保存します。冷凍保存は1~2週間が目安冷凍保存は栄養価を保つだけでなく、使用時の便利さというメリットがあります。しかし、適切な冷凍期間は1~2週間が望ましいです。たとえ適切な下処理を施して冷凍しても、長期にわたる冷凍は内部の水分が蒸発し、食感や風味が劣化する恐れがあるため、長過ぎる保存期間には注意しましょう。+ブロッコリーに含まれる栄養素ブロッコリーは、ビタミンやミネラルに富んだ緑黄色野菜で、特にビタミンCはブロッコリー100g中に160mgと豊富に含まれています。これはいちごの2倍、レモンの2.5倍に相当し、ブロッコリー4分の1株(約50g)で成人が1日に必要なビタミンCの摂取量を補うことができます。さらに、ビタミンB群やβ-カロテン、カルシウム、カリウム、食物繊維なども豊富に含まれています。それぞれの栄養成分の含有量が多いだけでなく、吸収を助けあう栄養素がバランスよく含まれているため、効率よく栄養を摂取することができます。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。必要な量のみ変換されるので、過剰摂取の心配はいりません。茎にはつぼみの部分と同様の栄養成分と食物繊維が豊富に含まれています。茎の表面の硬い皮を少し厚めに切り落とすと、中心は柔らかく味が良いためボイルや炒め物などで美味しく食べることができます。ブロッコリーには機能性成分のファイトケミカルの一種であるスルフォラファンが他のアブラナ科の植物に比べ特に多く含まれています。スルフォラファンは蒸発しやすい物質のため、切った後はすぐ食べるようにしましょう。<豆知識>ブロッコリーの効率の良い食べ方ブロッコリーはボイルして食べられることが多い野菜です。ブロッコリーを茹でる際は、ビタミンCの損失を抑えるためになるべく短時間で済ませることがポイントです。茹であがりは水に浸けず、ざるにあげて冷ますようにしましょう。水に浸けるとつぼみの部分が水を含みやすいため、食べた時に水っぽく感じてしまい、ブロッコリーの香りも失われてしまいます。鮮やかな緑色を保つためにはうちわであおぐなどしてすぐに冷ますことが必要です。また、電子レンジで短時間加熱するのも栄養素を失わない方法のひとつです。ブロッコリーに含まれるβ-カロテンは油との相性が抜群です。また、スルフォラファンは酢や油、動物性のたんぱく質と一緒に摂ることで効果が増します。そのため、ブロッコリーはオイル系のドレッシングをかけたり、肉料理の付け合せにすると効果的に栄養成分が摂取できます。[※1:スとは、植物組織内にみられる空洞のことです。]ブロッコリーの働きブロッコリーには、ビタミンCやビタミンB群、ビタミンE、β-カロテン、カルシウム、カリウム、食物繊維、スルフォラファンを豊富に、かつバランス良く含んでいるため、以下のような健康に対する効果が期待できます。●生活習慣病の予防・改善効果ブロッコリーは体内の活性酸素[※2]を除去する働きを持つβ-カロテンを豊富に含むため、血中の脂質の酸化を防ぎ血管を若々しく保つ働きがあります。さらに、ブロッコリーに含まれるビタミンEには活性酸素により酸化した脂質を分解することで、血中に粘度のある物質が流れ出ることを防ぎ血行を良くすることにより血圧を下げる働きや、血管を丈夫にする働きがあります。これらの働きにより、ブロッコリーは動脈硬化や高血圧の予防・改善に効果的だといわれています。また、発ガン物質が発生した際に体内でつくられる活性酸素は、正常な細胞を異常な状態にします。異常な状態になった細胞の核は本来の状態から変化してしまい、細胞分裂や再生がうまくできなくなります。ブロッコリーに豊富に含まれているβ-カロテンとビタミンE、ビタミンC、スルフォラファンは、強力な抗酸化作用[※3]を持っており、活性酸素を無効化し細胞を正常な状態に戻すことにより、ガンの予防に効果的であるといわれています。スルフォラファンの抗酸化作用はスルフォラファンが体内に入ってから3日間と長期間に渡って持続するという特徴があります。【1】【3】【4】●肝機能を高める効果近年、ブロッコリーに含まれるファイトケミカルの一種であるスルフォラファンが、体内の解毒酵素の働きを高めてくれることがわかりました。肝臓で働くグルタチオン・S・トランスフェラーゼという解毒酵素により、日常的に体に入ってくる鉛や水銀、カドミウムなどの有害重金属が無毒化され、体外へ排出されます。スルフォラファンはグルタチオン・S・トランスフェラーゼの生成を促進する働きがあり、肝臓の解毒作用を促進させるといわれています。この働きによりスルフォラファンは、体内に取り込まれた発ガン性物質の排出を促すと注目を集めています。この働きはブロッコリーよりブロッコリースプラウトの方が強いといわれています。また、ラットを使用した実験で、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンが、様々なタイプの肝炎・肝障害の発症を抑えることが明らかになっています。●胃の健康を保つ効果ブロッコリーに豊富に含まれているスルフォラファンには、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガンの原因であるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に対する殺菌効果があると報告されています。また、ブロッコリーには胃潰瘍を予防する働きを持つビタミンU[※4]が豊富に含まれています。ブロッコリーを食べることにより、ピロリ菌の感染や胃潰瘍が予防でき、胃ガンの予防にもつながる可能性があるとして注目されています。【5】●便秘を解消する効果食物繊維は腸内の不要なものを吸着し、腸の動きを促進する働きがあるため、便秘の解消に効果的です。ブロッコリーには茎の部分までしっかりと食物繊維が含まれています。●美肌・美白効果ブロッコリーにはβ-カロテン、スルフォラファンが豊富に含まれています。β-カロテンから変換されたビタミンAには皮膚や粘膜を丈夫に保ってくれる働きがあるため肌のカサつきや肌荒れを改善する効果があると期待されています。肌のくすみやシミの原因となるメラニンは、体内でチロシナーゼという酵素の働きによって生成されます。スルフォラファンは、チロシナーゼの活性を抑制することによりメラニンの生成を防ぎます。また、β-カロテンには紫外線によって発生した活性酸素を無効化する働きがあり、メラニン色素の発生を抑制する効果があります。他にも、ブロッコリーには若返りのビタミンといわれているビタミンEが含まれています。さらに豊富に含まれるビタミンCがコラーゲンの生成を促進し肌のハリが保たれることにより、シワの予防や改善にも役立ちます。様々な栄養素の相乗効果により、ブロッコリーには美肌に導く効果があるとされています。●免疫力を高める効果ブロッコリーに含まれるβ-カロテンから変換されたビタミンAには皮膚やのどなどの粘膜を正常に保つ働きがあり免疫力を高めてくれるため、口内炎や風邪の予防にも効果的です。●眼病を予防する効果β-カロテンから変換されたビタミンAは、目が網膜で光を感じる時に必要なロドプシンと呼ばれるたんぱく質の生成に必要な成分で、夜盲症や眼精疲労の予防に効果があります。また、ブロッコリーにはルテインが含まれています。ルテインは目の水晶体や黄斑部に多く存在し、強い抗酸化作用を持つカロテノイド色素で、紫外線などのダメ-ジから目を守ります。●貧血を予防する効果ブロッコリーには、他の食材に比べ非常に多くの葉酸が含まれています。また、ビタミンB12や鉄も含まれるため、葉酸との相乗効果により赤血球の生成をサポートするとして貧血の予防に効果的です。[※2:活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるとされます。][※3:抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。][※4:ビタミンUとは、ビタミン様物質と呼ばれる、ビタミンと似た働きを行う物質)の一種で、「U」は、ulcus(潰瘍)の言葉の頭文字を取ったもので、潰瘍を防ぐビタミンという意味があります。]ブロッコリーはこんな方におすすめ○生活習慣病を予防したい方○胃の健康を保ちたい方○肝臓の健康を保ちたい方○便秘でお悩みの方○美肌を目指したい方○免疫力を向上させたい方○目の健康を維持したい方○貧血でお悩みの方ブロッコリーの研究情報【1】ブロッコリーには抗酸化作用を持つ成分や抗腫瘍作用を示す成分が含まれています。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22235886【2】ブロッコリーの葉には、5-フェニルウンデカン(11%)、n-ヘキサデカノイック酸(9.34%)、オクタデカン酸(6.39%)、1,1,3-トリメチル-3-フェニルインダン(4.0%)、3-(2-フェニルエチル)ベンゾニトリル(3.48%)およびフィトール(3.37%) が含まれており、高い機能性を持つと考えられています。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21859369【3】ハムスターに、ブロッコリーの有効成分スルフォラファンを8週間摂取させたところ、肝臓中のコレステロールが減少しました。スルフォラファンは脂肪合成酵素に作用することが知られており、ブロッコリーが高脂血症予防効果を持つと考えられています。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21254774