最近、人口問題を扱った記事、番組等が多い。
昨日の池上彰氏の番組でも取り上げていた。この少子高齢化問題は
前提を覆す変化であり、騒がれるのは至極尤もだとおぢさんも思う。
2016年4月の『中央公論』では「被災地が映し出す日本の歪み」という特集が組まれており、その中でも「被災地域3県知事、34市町村長アンケート」は非常に興味深い内容であった。
日本が突入する人口減社会にいち早く追い込まれてしまった被災地の復興はどうあるべきなのか考えるために、本誌編集部は、岩手、宮城、福島三県の知事と、沿岸で津波被害を受けた自治体、福島第一原発事故に伴う避難指示区域が設定された自治体の計四二市町村アンケートを行い、三県知事、三四市町村長から回答をいただいた。
p.120「被災地が映し出す日本の歪み」『中央公論 2016年4月号』
福島県内でこのアンケートの対象となった被災市町村を対象に、2011年4月~2017年7月の期間の人口増加率を色分けした地図を作製した。富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村及び飯舘村については、平成27年10月1日現在全域が原子力災害による避難指示区域、楢葉町については、平成27年9月4日まで全域が避難指示区域だった。避難指示区域は徐々に解除されている(避難指示区域の状況(福島県))。現在では徐々に人が戻って来ているはずだが県の統計で2017年7月1現在の推計人口が示されていない町村は「避難指示区域」として黒で表した。
![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/9667505d691a4ec1c91c4009e08f69043dadcc83.33.2.9.2.png)
元データは以下スプレッドシート参照。
「被災地域人口増減率」(おぢさん)
おぢさんとしては人口問題について考えるつもりで中央公論の記事を読んだ。アンケートの回答を読んでみると震災の被災地域という点では同じでも原発事故の避難指示区域とそれ以外では温度差が激しいことが分かる。避難指示区域のそれは悲鳴に近いものがあった。
原発の周りと風で放射性物質が運ばれた地域の町村は避難指示地域とされ人が住めない土地にされてしまった。この広大な土地から人々が事実上の強制移住を強いられた影響からか原発からやや離れた新地町、相馬市、いわき市では人口が逆に増えている。
福島第一は事故ではなく日本国家による住民に対するテロ事件である。人のいないちっぽけな岩礁尖閣で大騒ぎする一方で人が住む広大な土地に放射性物質をばら撒いて住民を追い出し、ふるさとを奪い、テロ対策と称する悪法を成立させている皮肉。国家とは組織的犯罪集団以外の何物でもない。
原発避難で東電に再び賠償命令 地裁、国の責任否定(日本経済新聞)
福島テロ事件で千葉に避難した人々が国と東電に損害賠償を求めた裁判の判決では、ふるさと破壊に対する慰謝料を初めて認め、2002年に政府機関がまとめた巨大地震の「長期評価」によって「国は遅くとも06年までに10メートル超の津波が発生し得ることを予見できた」としたものの、国の賠償責任を認めた前橋地裁判決からは後退した。
残念ながら主犯である日本国家に協力してきたのは被害者である私たちだ。原子力村と結託し強力に原子力政策を推し進める政権に投票してきた。国家の手先となり安全神話を垂れ流す首長に投票してきた。中央公論のアンケートでは「今だからいえる、震災前に備えておけばよかったと思ったことはありますか」という設問に対してテロ事件被災自治体の多くが「原発事故は全く想定していなかった」と口をそろえる。
原子力発電事故、放射性物質について全く無知だった。
飯舘村 菅野典雄 村長
p.140「被災地が映し出す日本の歪み」『中央公論 2016年4月号』
これまで、原子力災害などの大規模災害は想定しておらず、必ずしも十分な備えはされていなかった。
田村市 冨塚宥暻 市長
p.141「被災地が映し出す日本の歪み」『中央公論 2016年4月号』
原発安全神話にどっぷりつかっており、町外へ広域に避難するという前提の備えがなかった。
浪江町 馬場 有 町長
p.142「被災地が映し出す日本の歪み」『中央公論 2016年4月号』
今にして思えば、安全神話に頼りすぎていたところはあった。
大熊町 渡辺利綱 町長
p.143「被災地が映し出す日本の歪み」『中央公論 2016年4月号』
原子力発電所は安全であり、全ての町民が避難しなければならない状況に陥るとは想定していなかった。
富岡町 宮本晧一 町長
p.144「被災地が映し出す日本の歪み」『中央公論 2016年4月号』
今回のような町外への全町避難という厳しい想定はしていなかった。
楢葉町 松本幸英 町長
p.145「被災地が映し出す日本の歪み」『中央公論 2016年4月号』
2011年以前にも原発内での事故は度々起きていた。目を背け続けてきたのは我々自身だった。事実を知ろうとしなかった我々は加害者となり結果的に被害者となった。先の大戦と何ら変わっていない。
明治以来、秩父事件、群馬事件、足尾鉱毒事件、大逆事件と累々と人間を殺しに殺しに殺しに殺し続け、先の大戦で自国民他国民とを問わず、これでもかと人を死へと追いやった。
戦後もイタイイタイ病、水俣病、四日市喘息、第二水俣病と死体の山を積み上げていった。いったい何人殺せば気が済むのか。
血の海に浮かぶ屍の島日本を作り上げたのは私達だ。
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