カテゴリ:歴史/考古学/毛人
南蛇井増光寺C区の土器106点をサンプルとして土器分類を試行している。
『鏑川上中流域弥生末期~古墳前期土器編年見直し試行ー甕の分類1(南蛇井増光寺C区)』 (おぢさん) 甕類に関しては、前回示した様に、おぢさん独自の以下の分類基準に従って分類作業を行なった。 『鏑川上中流域弥生後期4期~古墳前期土器分類』「おぢさん」シート サンプル中の甕52点の分類結果詳細は以下のワークシート参照。 『南蛇井増光寺エリアの土器』(おぢさん) 分類集計は以下の様になった。尚「台付甕」には「小型台付甕」を含めている。 一番多かったのは9点の A1Sa の分類である。輪積痕がなく、やや開く頸部を持ち、波状文のみの施文で、平底の甕である。この分類に属す土器の例を示す。 〔左上〕C22号住居9甕 〔左下〕C9号住居3甕 〔右〕C38号住居4甕 次に多いのは A1Ra に属する甕である。これは1番多い A1Sa と形は同じで、違いは頸部に簾状文が加わる点のみである。右側のC97号住居1の小型甕の形態は「2.ほぼ直立で立ち上がる頸部」や「4.斜めに弱く開く頸部」などとの中間的な形態。 〔左上〕C22号住居11甕 〔左下〕C46号住居1甕 〔右〕C97号住居1小型甕 甕の形態分類でいまだに悩んでいる点がある。今回、おぢさんは下のような形態を念頭に「3.短い頸部」という分類を設けた。 〔左上〕C6号住居3小型甕 〔左下〕C22号住居20小型甕 〔右〕C9号住居6小型甕 「3.短い頸部」分類は体部から想定されるよりも短い頸部をもつものとする。台付甕や小型甕は器高が低く幅広になるので必然的に頸部も短くなるが、その中でも短い頸部を持つものを該当させる。体部との相対比を重視する。 ここまでは良いのだが、下に示すように「く」字形に屈曲する短い頸部を持つものを、同じ「3.短い頸部」として一括するのか、新たな分類を設けるべきか、「1.やや開く頸部」に含めるか、あるいは在来系以外として太田地域編年分類の甕G・Hなどとして処理するのかという点が悩ましい。今のところ「1.やや開く頸部」に分類している。 〔左上〕C39号住居12(台付甕) 〔左下〕C39号住居13(小型甕) 〔右上〕C68号住居1小型甕 土器の図はいずれも、群埋文『南蛇井増光寺遺跡V C区・縄文・弥生時代 本文編』から採った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.04.15 15:21:41
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