そして、天まで飛ばそう
whatsman@nnnデブラージが亡くなったらしい。個人的な面識はないので良く知らんがまだ40代で若かったハズ。クソ残念で仕方ない。心から冥福を祈りたい。俺世代が最も影響を受けた人の一人と言って間違いない。例のサンピン前夜のシーン。ギドラが出て盛り上がってきたところで、ブッダのマキシ、人間発電所。これでシーンが完成した。サンピン前後の96年、我らがナチュラルナインも結成。兎にも角にも、ブッダのリリックにクソ焦った。それまでのリリックとは確実に一線を画すもの。鼻だけビッグ、HIT YA 直撃、闇フロー者、極上Flow gotta flow like 黒死病、ブルーなマンデーの仏滅、つむじ曲がりなリリカル怪獣、極上Fu*k like トルコ風呂、挙げ出したらキリがない。大峠雷音、とか未だにとんでもねえと思う。チョキならグーでもオレはパーパーも圧巻。SURE SHOTをショウシャーと発音するのも渋かった。マジですごい。ブッダを基準にその前後で日本のHIPHOPは大きく変わった。多くが影響を受けまくった。当然、俺らも影響を受けまくった。NNNで言えば、AUが一番影響を受けて気がする。そしてそれは、彼が言い続けた「ILL」にほかならん。イルの概念を日本に持ち込んだ。この功績はマジでクソデカイ。それまでオレの生活にILLという概念はなかった。雑誌FRONTに記した言葉や絵、そして根本敬の紹介ほか、マジでILLやった。モロに影響を受けて、御用牙、などの映画もディグった。服装なんかもクソILLやった。クソでかいあの丸メガネを初めてDLで観たし。クソすげえフードをかぶったPVとかも渋かった。そして、あのサンピンでの3回早着替え。そのどれもがイル。あの手袋はスゲエ。で、証言での動き。ためてためて、じっくりと首だけ振ってたかと思えば、「惨めな頭にけちくさい夢」からの怒涛の動き。もうちょいでドカーン、もクソ圧巻。最初は黙って見てるけど、自分の番が来たら、しっかりやる、ということを説明する際に、「デブラージの証言みたいに」という表現を使うことも多かった。が、ただイルなだけじゃない。クソ熱い。いや、クソあちぃ。FRONTの連載もそうだったし、ナイトフライト@ラジオに出てきた時の発言一個一個がクソ熱い。そして、きわめつけが盲目時代@ILL VIBES VOL.2。マジでクソ愕然とするしかなかった。オレの地元の連中、普段HIPHOPを聞かない連中もこの歌詞にぶっ飛ばされてた。「計画持つ者、常に人をリードし、ってマジやろ」@AU「テメーの女自由に飛ばす位、よ、マジで」@ミヤ「人間はそうなりたいと思うものになれる 性質を持って生まれてる、はマジよ」@オレなど、この当時、どこが好きかをみんな口々に言い合った。ちょうどこのイルバイブ2が出たころ、DL、MC 士郎、EGGMANとDJ YASという異色の4人で福岡にライブに来てて、オレやAUは観に行った。で、ライブ後。クラブの前でうだうだしてたらDLが出てきた。AUが、いきなり、サササ-っと近寄っていって、「盲目時代、感動しました。」のぶちかまし。「ありがとう」@DLで、クソすげえ握手。で、戻ってきてクソ自慢気に「コンちゃんの握手は、マジで力強いけんね」と言っていたのを思い出す。知り合いでもないのに居らんところで勝手にコンちゃんと呼ぶSKILLをこの当時からAUはもっとった。まぁ俺も同様やけど。それにしてもDLの功績ははかり知れん。彼がいなければ大げさでなく、今の日本のシーンはなかったと思う。サンピン自体がブッダを売り出す企画、という趣旨があったという噂も聞いたことがあるし、リリック、音、振る舞い、動き、その全てが日本のシーンに影響を与えた。K-DUBとのBEEFも圧巻やった。正直なところ、昔からいるラッパー等で、最新の音源を買ってでも聞きたい、てのはほとんどいなくなって、それでも、今でも新しいのが出たら即購入したい筆頭がDLやった。なんでもTBHのBOSSと曲を作る話も合ったらしいので、マジで残念でならん。この二人の曲はマジで聞きたかった。にしてもショックで仕方ない。NNNの目指すべき姿の一つに当然、ブッダがあったわけで、俺らの音源を聞いてもらえる日がくるかもしれん、ってずっと思ってた。冒頭の通り面識は全くないので、深いところは知らないが、影響を受けた人間として心の底から冥福をお祈りしたいと思う。今夜は、金字塔とTHE ALBUMを聴きまくってる。DONT TEST DA MASTER、ファンキーメソジストほか、どれもクソ渋い。ソロのは一曲目からして半端ねえ。つくづく偉大なRAPPERであり、偉大なミュージシャンだったと思う。とにもかくにも聞き続ける。そして、天までとばそう。PEACE。