「ゾウの時間 ネズミの時間 ーサイズの生物学ー」本川達雄(中公新書)
第10章「時間と空間」もすごくいい。
P129 体が大きくなったとき、骨は太くなる。体重を支えなくてはならないからだ。もし幾何学的相似が成り立つなら長さと太さは比例関係にある。しかし太さが長さの3/2乗に比例しないと体重を支えられない。これを弾性相似と呼ぶそうだ。このとき体重は(太さ)の2乗×(長さ)=(長さ)の4乗に比例することになる。表題にもあるようにゾウとネズミでは時間の流れ方が全く違う。時間は体重の1/4乗に比例する。動物の体を弾性体だと仮定し、さらに大胆に一本のバネで記述できるとすると、そのバネの周期は長さに比例する。そうだとすると周期は体重の1/4乗に比例することになってメデタシメデタシと・・・はいかないんだそうだ。動物のデザインは実はそんなに単純ではない。弾性相似が成り立つような特殊な事例もあるが、むしろ幾何学的相似が成り立つことの方が多いそうだ。この場合は今の議論に従うと時間が体重の1/3乗に比例することになってしまいおかしい。まだまだ謎が潜んでいるというのが現段階での答えだ。う~ん。
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