カテゴリ:職人の技
4/6から電気配線の工事が始まり、 昨日4/16でとりあえず終わりました。 竹小舞が編み上がって、壁土を塗リ始めるまでに、 土壁に埋め込まれる配線やスイッチボックス等を仕込んでおきます。 日伸建設のいつもの電気屋さんでも、 さすがに本物の竹小舞の土壁の配線工事は滅多にありません。 柱現し真壁の和室でも、普通はボードを張って壁の中は中空です。 ビニルクロスのニセモノ聚楽壁でなく本物のシラスなどの塗壁でも、 左官仕事で塗るのはほんの1~2mm厚、下地のボードの中はカラ。 塗り壁材による調湿性も、その厚み相当でしかありません。 けれど、中空壁なら中の配線や配管の作業性は格段に高いし、 電気工事技師なら誰でもできます。 ウチの場合は電気屋さんとはいえ大工的知識や技能も必要だし、 配線だけで休日を挟んで10日程かかっていますが、 普通の家なら2~3日あればできていたんじゃないでしょうか。 さて、竹小舞を改めて見てみましょう。 竹小舞は、壁厚のちょうど中心にあります。 柱間には、上下が木組みに刺さっている間渡し(エツリ)竹と、 材木から浮いている小舞竹があり、 それらを何本かずつの間隔で互いに縄で編んであります。 (紹介:トヨダヤスシ建築設計事務所の記事☜click に詳しく載っています。) (↑エツリ竹と小舞竹・・・下が足固め横架材から浮いているのが小舞竹) 一方、スイッチやコンセント等のボックスは厚みが6cm程あるので、 中空の壁なら設置するのは簡単なのですが、壁芯に竹小舞があると、 その竹をその部分切り取って埋め込むことになります。 ところが縦と横の竹は、全てが縄で編まれてあるわけではありません。 壁面全体ではかなりガッチリしていますが、 局部的に見ればユルくて鋸で切ろうとすると竹が逃げてブレるので、 まず切り取るところの周囲の縦横の竹を全て縛り付けてから、 鋸を入れないといけません・・・これがかなりの手間! (↑スイッチボックスを設置するために、竹小舞を切っています) それと、一般的にはスイッチの高さは床上120cm程のところ、 ウチは床で直に過ごすことが多いので低めの110cm程と頼んだんですが、 伝統構法では横架材の貫で壁面をガッチリ固めてあって、 その貫が場所によってはちょうどスイッチの高さにあって、 それを避けないといけないなど、これもけっこう大変です。 また、ウチの1階は昔の古民家のように2階の床板が天井なので、 電線を這わす天井裏が無く、電線を目立たないように梁に這わせたり、 2階も天井裏が無いので電線が見えないように梁の上面に沿わせたり。 いろんな知恵と工夫が必要です。 しかも古民家と違って現代から未来への伝統構法の家ですから、 電気回路は十数系統、そこに光ケーブルや何やらで、大変な配線数。 電気屋さん、ほぼ2人がかりで悪戦苦闘の日々。 でもこの間、電気屋さんの仕事ぶりを見ていると、 難しい作業も工夫して楽しんでいる様子。 現場を覗くと、電気屋さんが「ここ、どうしときましょ?」 私も素人ながら「こうしたらどうでしょう?」・・・。 こんなやりとりも楽しい10日間でした。 いよいよ今週末の現場公開日(要予約☜click)を挟んで、
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最終更新日
2020年09月26日 07時30分35秒
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