板橋の大衆ビストロは楽しい気分にさせてくれる
板橋駅前の大衆ビストロ―もともとビストロというのが大衆向けのレストランを意味しているとしたら冗語でしかないけれど、ちっとも大衆的な価格じゃないビストロもあるから敢えてこう呼びます―に以前お邪魔しており、ここでも報告しております。とっても好ましい印象で、接客にやや難があるというご意見もあろうけれど、ぼくには適度にほっておいてもらえる感じで好感をもっていたのでした。さて、実はこの日はぼくの誕生日だったので―書くつもりがなかったけれど、注文時にうっかりそれを告げたらデザートに名入りでデコレーションされていたのであえて告白します―、久々に訪れることにしたのでした。 リニューアル中の板橋駅を出て、「パリ4区(Paris 4me)」に向かいます。赤を基調としたオーソドックスな構えのお店で、外観、内観ともに統一された印象で好もしく思っています。ゴージャス過ぎるのはこちらも構えてしまうし、照明が暗すぎる店も眠くなる、ウッディな素朴さを打ち出したお店はカフェっぽくてなんだか違う気がする。ぼくの好きなビストロは、こちらなんかのような気持ちをあったかくしてくれる赤を基調としたお店になります。さて、4,700円コースを注文します。オードブルにスープ(プラス料金で魚料理も可)、メインにデザートという流れです。お祝いだからとシュワシュワするお酒からスタート。ケチなので400円のスパークリングワインです。お手頃ですねえ。アミューズとして出された青柳のアイヨリソース和えが濃厚な味わいでこれだけで一杯飲み干してしまいます。さらにアミューズの第2弾、リエットにはバケットが添えられます。いや、こちらはバケットの付け合わせにリエットが定番なのだろうか。これでもう一杯。オードブルには人参のムースにホタテとカニのゼリー寄せをお願いしました。近頃重い料理を重ねるだけの胃力がないのでと頼んだのですが、これが大正解。不遜ですが、もしかするとこれなら自分でも作れそうかもなんて思ってしまいました。ここで白のグラスワインをもらいます。チリ産だと350円とお手頃なのもうれしいところ。続いてのトマトのポタージュは、あまり気乗りしなかったのですが、食べてみるとトマトの風味が食欲を掻き立ててくれてとても美味しかった。ここでチリ産の赤ワインをボトルでオーダー。なんと1,900円というから有難いことです。メインの鹿肉のソテーは、シンプルな調理ながらこういう肉の下処理と焼きのセンスは家庭ではなかなか出せるものではないですねえ。デザート前のチーズのサービスも嬉しですねえ。この日はコンテだったかなあ。そしてお楽しみのサバラン、コーヒーに実によく合う。と、珍しくも食い物ばかりが登場しましたが、お祝いでなくとも普段使いできるのがこちらの良いところ。大食いの人であれば大盛ポテトフライやアンチョビポテトなども350円で用意してもらえるみたいだから追加するのもいいかもしれません。ワインもお手頃ですしね。また来よう。