ぶるどっぐロンディ＆にゃんこの部屋

オペ後の先生はにこやかな顔ホッとした。ニカっと笑って説明
「総て取れました。限りなく良性と思うが念の為検査に回します」
夫はと見れば未だ麻酔から覚めていない。一晩ICUで過ごす。
翌日　個室へ移動・開頭手術は脳圧が変化してしまうので脳圧を
戻す為グリセオールが点滴液に追加。コレが辛い。嘔吐　眩暈・
食欲ゼロ・情けない顔で小首傾けた方の下顎が点滴で膨らむ。
その部分だけお爺さんみたいな感じに見える。可哀想に。

４日間苦しい点滴が続き・翌朝午前4時半　ハッとして飛び起きた！
ベッドに居る筈の夫が傍に立っている・ぎょ！「何してるの！」
「そっち・・ソッチ・・」指差す向こうにはキャビネットが有る。
中に彼のタバコが入っている。冗談じゃ無い！兎に角彼の身体を
私の身体で止めてナースコール「誰か二人来て下さぁ～い！」

駆けつけた看護士　ドア開けて暫し呆然！「何？どったの？」　
どったの?じゃ無いの！早く夫をベッドに戻してと頼む。
ロボット状態で付き添ってる私は右手の力が無いのだから！　

夫はベッドに戻され逃亡防止用の柵を二本ベッドにガチャン！

ふ～吃驚した。回診の時に看護師の報告見て先生が笑い転げた。　
「普通は頭開けたら10日や2週間はベッドから起き上がれないものだヨ」
「どうも本人はタバコが吸いたかったらしくて・・」と私。
「ま・その勇気は買います・動機は不純だけどね～　がはは！」　

硬膜の代わりにゴアテックスを使用したが頭骨にダメージがあると
チタニュームを使うらしい。そうなると飛行場で検査の時には
キンコーン・と金属反応が出る？自前の骨で間に合った。ﾗｯｷｰ！

5日目からガラガラと点滴機材引っ張って病院中歩き回りの夫。
6日目から階段の昇降も挑戦　但し病院食一切　嫌だとごねる。
仕方が無いので彼の食事は総て我が家へ飛んで帰り我が家の味を
ジャー2個に詰め　猫にも二日分のご飯と水を与えて付き添い。。

ハードスケジュール8日目に流石に私がダウン状態。
「悪いけど今日は一晩　家で眠りたいから帰るね」と切り出したら
じ～っと見つめてボソッと一言「明日　何時に来る？」ぐは！

その内日が過ぎて11月19日には退院。最短記録だそうです。　

脳腫瘍は綺麗に切除されましたが　人間の脳と言うのは不思議で　
周りの正常な脳が「此処に何か在った」と学習済みなのだそうです。
それら周りの脳に「忘れさせる」為に処方された薬・大事な事も
忘れちゃうのですね　コレが。副作用ですが服用しないと駄目。
仕方が無い。オペ後も脳がゴアテックスに触れると発作が起きました。
脳が多分「何じゃこりゃぁ？」とストライキ？　

発作と言っても色々有りますが彼の場合は突然の血圧上昇
（これはプツンと血管が切れない様に他の薬で回避）
発作時間は10秒間　動けない・その間の記憶が無い・顔面紅潮。
但し常に硬直だけで転倒はしないのが未だ救いでした。

退院後も発作は回数こそ減少傾向したものの何時起きるか不明。
そんな中で2006年2月ブルドッグが我が家に来たのです。
「この仔犬はパパの犬だからね！面倒は貴方が見るのよ！」
不思議な事にその日を境に発作が停止！わ～い！やったぁ♪
　　


皆様が「親馬鹿ちゃんりん」とおっしゃろうが何でも構わない。
ロンディには本当に感謝で一杯の我々なのですから。