Fall in love
以前、前にも話をした大学教授(言語学)ら大勢と、一緒にTVで日本の番組を観てた時のことをふと思い出しました。UHFというか、主要チャンネルではないけど、日系の会社がチャンネルの時間帯を買って放映しているものです。日本の番組で、英訳がキャプションで出ているので、みんなで楽しく観れました。アメリカ人から見たらとても新しい経験でしょうね。そういう機会がないと日本の番組をじっと観たいでしょうから。世界のどこか今まで縁のなかった国の番組を、じっと一人で観るのは難しいですよね…。名前は忘れましたが恋愛番組で比較的最近のTVドラマのようです。テンポもよくとても好評でした。彼らの評価も「That was good」とか「I like it」見たいな感じです。と、すると軽快なエンディングソングが流れてきました。非常に一回聴けば覚えそうなメロディで歌も好評です。歌がすべて英語なので、それも軽快に耳に入っていきました。その間もこの英語はアメリカン英語のネイティブのものだとか、いや日本式の発音が入っていると、雑談が始まりました。それにその歌自体も、「これアメリカの歌じゃないの~?」とか、「いや、日本の歌だよ~」とか…そして、さびのところにきて歌詞が「Let's fall in love~♪」となったのでみんな固まってしまいました。そんな使い方は口語ではありえないからです。「恋をしようよ~♪」って言いたかったのでしょうが、Fall in loveは「好きになる」という意味合いが強いのです。だから「一緒に好きになろうよ~」なんてニュアンスになるのですね。日本語でも可笑しいですよね~。どういうケースで「好きになろうよ~」となるのか中々想像できませんね (笑)。で、言語学の教授の登場です。「あれって可笑しくない?」という誰かの質問に…彼女の頭の中に白黒があることは簡単に推測がつきますが、そこは教育者。体よく言いました。「あんまり使わないわね~」ということであの歌を歌ってる人も名前はアメリカっぽいけど、ハーフか何かの日本育ち。その意味が可笑しいと思ったにせよ、その歌詞を歌わなくてはならなかった立場にいた人、というみんなの結論になりました。(私達が「おまえ、好きあるよ~」って歌わされることに、抵抗を感じない日本人はいないはずですよね~笑 その分、そう歌わなくてはならない苦悩は想像がつきます…)そして、その歌ももちろん日本の歌という結論になりました。それにしても惜しい歌です…考えてみれば、アメリカ人にとって日本のTシャツやハローキティの文房具などに書いてある英語に「???」が多いです。しかし、これで出版できる、これで生産できる、といった段階で英語のCheckをして欲しいものですね。でないと小・中学生もこれでいいと思ってしまう。これも営利主義と社会的責任の関係ともいえるのでしょうか…先日の日本出張では、いつもながら飛行機のトイレに「トイレでタバコを吸うと換気扇が作動して…」みたいな表記があります。日本語ではなるほど納得です。しかも日本的な書き方で読む人をも思いやった言い回しです。ここに英語の訳も直訳として続きます…その英語を日本語でいえば、「~してしまうと、~になってしまいます。だから~しないように…」となっています。訳した人は、原文に忠実に心がけたのでしょう。私は見るたびに遠回しな言い方に、「Do not smoke!」とか「Do not smoke, or ~~」と書いてくれって思っちゃいます。※ところが新幹線に乗ったら同じような日本語文にも、「Do not smoke!」とだけ書いていました。