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意外な戦史を語る~  カモメとウツボのメクルメク戦史対談

意外な戦史を語る~ カモメとウツボのメクルメク戦史対談

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2009.07.10
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(ウツボ)磁気機雷に触れた後、南部艦長が調査した結果、伊四〇一はキングストン弁や計器類に損害があり、大連行きは困難になったので、呉に引き返してきた。

(カモメ)結局、交代として伊四〇〇に有泉司令が乗艦し、四月十四日、呉を出港して大連に行き、燃料を満載して四月二十七日、呉に帰ってきました。

(ウツボ)最終的に伊四〇一は呉軍港の燃料を貰い、伊一三、伊一四の両艦は鎮海に回航して補給を受けて、燃料問題は解決した。

(カモメ)そのころ、大西洋方面におけるドイツ潜水艦がシュノーケル装置を装備しているとの情報が入ったのです。連合軍のレーダーへの対策が間に合わず、困り抜いた上での採用でした。

(ウツボ)シュノーケル装置は、潜航中の潜水艦が海中から油圧により昇降自由の煙突を立てて、一方から大気を吸い込み、他方から排気を出してディーゼル機関を運転、発電し、この発生電流により艦の推進を計ろうとするやり方で、充電のため浮上する必要がなくなるという画期的なものだった。

(カモメ)そうですね。これにより、それまでできなかった長時間潜航(十数日あるいはそれ以上)も可能になりました。

(ウツボ)当時日本潜水艦が悩まされていた米国海軍のレーダーをかなりの程度回避でき、さらには潜水艦本来の奇襲効果をも増大できるものだった。

(カモメ)この装置は、煙突がステッキの握り手状になっており、先端は下向きに曲げられ、波浪が煙突を超えたり、艦の深度が急に変わるようなときは、自動的に吸気口を閉鎖するようになっていました。

(ウツボ)これらから、明治四十三年の第六号潜水艇(艇長・佐久間勉大尉)のような事故の心配は全く無いものだった。

(カモメ)有泉司令は第一潜水隊の各艦にシュノーケル装置を装備することを上申、直ちに工事が開始されました。

(ウツボ)わずか一ヵ月半足らずの間に四隻の潜水艦とも、油圧によって伸縮するシュノーケル、いわゆる給排気筒が取り付けられた。水中で補助発電機を運転し、その発生電力で潜航持続が可能になった。

(カモメ)日本の潜水艦がシュノーケル装置を装備したのは、この四隻が初めてだったのです。その後シュノーケルは終戦までにそのほかの一部の潜水艦にも取り付けられましたが。

(ウツボ)六月五日、第一潜水隊は富山県の七尾湾に集結して訓練を開始した。また晴嵐の第六三一航空隊も舞鶴近くの誉田に基地を開設し、各艦に晴嵐を搭載した。

(カモメ)けれども、搭載機の晴嵐が、故障が多いうえに、一〇機が全部調達できませんでした。名古屋にあった晴嵐の製作所が前年の濃尾地方地震で被害を受け、しかも空爆にあい、生産工程が進まなかったのです。

(ウツボ)それでも厳しい訓練は連日行われた。搭載機の射出、発艦、揚収訓練、飛行機航法、爆撃訓練などを実施した。また潜航訓練も行ったんだ。

(カモメ)「艦長たちの太平洋戦争」(佐藤和正・光人社NF文庫)によると、伊四〇一の艦長、南部少佐は「伊四〇〇潜型というのは、当時世界最大級の潜水艦であったわけですが、性能は以外によかったですね」と話しています。

(ウツボ)また「性能は従来の潜水艦となんら変わるところはなかったし、大きい割には小回りがきいて、潜航秒時も一分を切るくらい優秀なものでした」とも述べている。

(カモメ)舞鶴工廠でつくられたパナマ運河の閘門の模型が曳き船によって七尾湾に回航されて設置してあり、飛行機はこれを標的にして緩降下の爆撃訓練を行いました。

(ウツボ)標的の閘門の模型は、有泉司令が一月に軍令部の藤森参謀と話した時、藤森参謀がパナマ運河閘門の模型を中央で準備すると伝えたのだが、有泉司令は図面もあるので現地で用意すると答えた。有泉司令が舞鶴工廠で閘門の模型を製作させた。

(カモメ)そうですね。この模型は、木製の筏の上に、同じく木製のパナマ運河閘門の模型を乗せた実物大のものでした。曳船によって七尾湾に回航、設置されました。

(ウツボ)ところが、このころ、晴嵐のトラブルが多発した。搭載のアツタエンジンの故障をはじめ、各種の故障や事故が多発した。

(カモメ)伊四〇一の浅村飛行長は、発艦した途端、突然操縦席の前から、真っ黒いオイルが噴き出し、目の前の遮風板一面がオイルで覆われ、前方が見えなくなって不時着水しました。

(ウツボ)オイルタンクの閉鎖が不充分だったため、エンジン全開によって高温となったオイルがあふれ出たのが原因だった。








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最終更新日  2015.08.15 09:14:58


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