思い出

今、巷では「安倍VS福田」の次期自民党総裁をめぐる
レースが話題になっていますね。
私は、どちらを支持するか。どちらがベターであると思うか。
現時点で、強いて選ぶとすれば、
安倍晋三さんに次期総理になっていただきたいと思っています。
小泉改革に反対し、時間軸を戻そうとしている人達に
担がれようとしている福田氏には、ポスト小泉に求められる
仕事を成し遂げるのは難しいのではないでしょうか。

現在、マスコミでとりあげてられているトップ２人の争点は
外交問題が中心ですが、超少子高齢社会を迎え、
しかも先進国で最も大きな債務を抱えている
わが国にとって、より重要なのは内政問題です。

一方、内政の問題は、改革の「負」である格差の問題ばかりに
焦点が当てられていますが、
それでは、小泉改革の「成果」である、
年金改革、道路改革、郵政民営化などは、
そもそも、この程度で、「成果」と言えるのでしょうか。
もしも、改革はこれで十分だというのであれば、
あまりにも次の世代に対して無責任であるといわざるを
えないですよね。

2050年には、お年寄りの割合が現在の倍以上になるというのに、
現在でも不安視されている老後の生活が明るくなるはずが
ありません。

道路問題は、道路公団が民営化された後も、
今まで無駄だといわれていた道路までも結局は造ることと
なりました。建設費を40年かけて払うという仕組みです。
決定に関わったおじさん達の誰が40年後に生きているのでしょうか。

民営化された郵便局は、今後、どうなるのでしょうか。
メガバンクと合併させるなどで、
世界最大級で最強の金融コングロマリットを目指し、
わが国の金融機関の国際競争力を高めるのか。
はたまた、資産規模を縮小させて、
なるべく存在感をなくしていくのか。

次期内閣は、日本の将来のために、これらの宙ぶらりんに
なってしまっている問題に着手しなくてはなりません。

さらに歴史を振り返ってみると、細川内閣で着手した政治改革。
やろうとしたのは政官財の癒着を根絶することであったのに、
中選挙区制度をやめただけに終わり、
企業による献金は、形を変えていまだに認められています。

橋本内閣で行われた行政改革。
これも省庁の再編という「形」だけに膨大な労力が使われ、
仕事のスリム化という根本問題に手をつけられていません。
国家予算の規模はほとんど変わっていないのです。

たしかに靖国問題や格差の問題は重要であり、
取り組まなければならない問題です。
しかし、それ以前に、わが国は、
国内経済の縮小や国家財政の破綻といった危機の中にあります。
つかの間の好景気の中で、
わが国の重大な構造問題を忘れてはなりません。

永田町の枠の中だけで、こちらが先の方がいいのではと、
悠長に議論している場合ではないのです。
小泉改革も橋本改革も不十分。
次期総理は、国民的なバックアップを受けて
更に本格的な改革に着手しなければなりません。
これまでのわが国の改革の速度から考えると、
残された時間はあまりないのです。

現在、福田氏が世論調査で追い上げているのは、
国民が、若い安倍氏に本気で頑張れと
言っているものだと思いたいですね。
自民党には82人もの小泉チルドレンがいます。
彼らは、どうして当選できたのか。
国民がどういう思いで、前回の選挙で自民党に入れたのか。
彼らはそれを忘れて、
次期総裁を選ぶようなことがあってはなりません。

ただの「劇場」ではなく、真剣な政策論争が起こるように、
国民がしっかりした目で総裁選を見なくてはなりませんね。