思い出

タイで軍事クーデターがありました。

私がタイを訪れたのは、6年前の2000年。
このタイが初めて足を踏み入れた外国の地でした。
現在、バンコクで働いている知り合いもおり、
私にとっては、特別な国で起こった事件であります。

タイは、人口約6000万人で、面積は日本の1.4倍程度。
首都のバンコクは東南アジア有数の大都市です。
日本の製造業は、中国と共に、タイを生産拠点としている企業が
多く、そのため、日本の株式市場は、米国の株式市場よりも
今回のクーデターの影響を受けています。

タイ人のほとんどは仏教徒で、温和な民族である印象があります。

さて、このクーデターについてですが、私は、大反対です。
タイ国民は多数がクーデターを支持しているようで、
軍事クーデターはタイでよく行われる政権交代の方法の一つだと、
落ち着いて語っている日本の専門家もいらっしゃいますが、
そもそも不完全ながらも民主主義国家であるにも関わらず、
軍事的な選択肢を歓迎することはなど間違っていることを、
日本人は、タイ国民に主張するべきです。

国内問題を、たとえ一時的であるにせよ、
軍事的な力で解決することが正当であるなどという主張は、
絶対に認められるべきではありません。

人類は、国際紛争を、そして、思想的な乖離から生まれる
テロなどの問題をいかに無くすかを考えるステージにきており、
このように国内の政治問題を軍の力で制御しようという
前時代的な考えを持った国は、徹底的に非難されるべきです。

タイ国民は、東南アジアの拠点として、政治的にも経済的にも、
地域を牽引していく意思があるのであれば、
民主的な方法で国を良くしていこうと努力をしていく必要があります。

先進国から輸入してきたわが国の民主主義は、
いまだ不完全ではありますが、
自分達の一人ひとりの行動が、地域や国を動かしているのだという
意識は、確実に高まってきております。

何十年、何百年とかかってしまうかもしれませんが、
平和裏に物事を決めていくという民主主義の仕組みを
世界に広めていくことは、先進国の国民の
重要な役割の一つではないでしょうか。