テーマ:好きなクラシック(2282)
カテゴリ:オペラ
鑑賞日:2008年5月5日(月・祝)14:00開演 入場料:¥6,615 C席4階(1列31番) 主催:新国立劇場 ベルント・アロイス・ツィンマーマン作曲 オペラ「軍人たち」 全4幕(ドイツ語上演/字幕付) 会場:新国立劇場オペラ劇場 指 揮 :若杉 弘 演 出 :ウィリー・デッカー 美術・衣裳:ヴォルフガング・グスマン 照 明 :フリーデヴァルト・デーゲン 再演演出:マイシェ・フンメル 指揮補 :トーマス・ミヒャエル・グリボー 共同衣裳デザイナー:フラウケ・シェルナウ 衣裳・ヘアメイク監修:ロビー・ダイヴァマン 音 響 :渡邉 邦男 舞台監督:大澤 裕 合 唱 :新国立劇場合唱団 管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団 出演: ヴェーゼナー(小間物商人):鹿野 由之 マリー(ヴェーゼナーの娘):ヴィクトリア・ルキアネッツ シャルロッテ(マリーの姉):山下 牧子 ヴェーゼナーの老母 :寺谷 千枝子 シュトルツィウス(マリーの婚約者):クラウディオ・オテッリ シュトルツィウスの母 :村松 桂子 フォン・シュパンハイム伯爵 大佐:斉木 健詞 デポルト 若い軍人 男爵:ピーター・ホーレ ピルツェル 大尉 :小山 陽二郎 アイゼンハルト 従軍牧師 :泉 良平 オディー 大尉 :小林 由樹 マリ 大尉 :黒田 博 3人の若い士官 :中嶋 克彦 / 布施 雅也 / 倉石 真 ド・ラ・ロッシュ伯爵夫人 :森山 京子 若い伯爵・伯爵夫人の息子 :高橋 淳 ラ・ロッシュ伯爵夫人の召使:木幡 雅志 若い見習い士官 :青鹿 博史 酔った士官 :川村 章仁 3人の大尉 :細岡 雅哉 / 藪内 俊弥 / 浅地 達也 感想 日本初演。 若杉弘がこのオペラを公演するために新国立の音楽監督引き受けたらしい力の入った演目。 お話は、小間物商人の娘マリーが、婚約しながら、若い軍人デポルト男爵と関係を持ち 父親も娘の玉の輿を思うが、男爵は消息を絶つ。その後マリーは、大尉、若い伯爵と 逢瀬を重ね、結局娼婦となる。婚約者シュトルツィウスは男爵を毒殺、自分も服毒死する。 軍人たちが行進する通りに、物乞いする乞食のマリーが泣き崩れる。と結構悲惨な物語。 本日が初日のため、演出等詳細は書かないが、衣装の色で軍人、庶民、貴族を区別し、 主人公が衣装を変えて行くことで、位置づけが判る。また鏡、椅子の大きさを変えて 心境の変化を象徴させ、物語の流れを判りやすくしていた。 何と言っても現代音楽の無調性の音楽のパワーに圧倒された。 管弦楽はオケピットは入りきらず、舞台の下まで拡張され、ハープ、ティンパニー、 キーボード、ギター等が置かれており大人数。軍人の場面では、客席2階舞台横に現代ジャズ コンボ、そして別のスタジオに打楽器奏者が20人程いてPA経由で音が流れる。指揮者の 横にはモニターが置かれスタジオ指揮者が映し出されており、離れた場所を結んでいた。 客席後面にもスピーカが設置され、最後の軍人たちの行進の場面では、行進の靴音のPAと 打楽器のみで客席全体が大音量に包まれた。 歌手は無調性音楽なので評価の仕方が判らないが、マリー役ヴィクトリア・ルキアネッツ、 シャルロッテ役山下牧子、シュトルツィウス役クラウディオ・オテッリ当たりが良かった 様に思う。2重唱でもまったく異なる旋律、調性であり、歌うのはさぞ大変なのでしょう。 またド・ラ・ロッシュ伯爵夫人役の森山京子とその息子役の高橋淳が豊かな声量で目立って いた。 18世紀の作家ヤコプ・レンツの戯曲を元にしているが、オペラとしては1960年代の作品であり、 軍人、貴族、庶民の階級問題と捉えるのではなく、各階級が愛情と欲望、自由(不正)と 秩序(信仰)の象徴として示され、現代社会でもそれらが混沌として続いているとのこと なのでしょう。 この様な現代オペラの作品は、日本では新国立劇場でしか公演できないのは間違いない 事実だろう。 End お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[オペラ] カテゴリの最新記事
私は、シェーンベルグあたりで
もうダウンなので、オペラとなるとちょいとついていくのが、きついかもしれません。 この手の演奏は評価が難しそうですね。 (2008.05.06 21:38:48)
hoihoi0765さん
コメントありがとうございます。 全くの初聴でして、若杉弘が指揮とのことで出かけた次第ですが、 ここまで現代音楽だったとは驚きました。 若杉弘だからこそ出来た公演だと思いました。 (2008.05.07 20:16:18) |
|