発表会
発表会を迎える。 9月から始まったレッスン,合同レッスンや自主練,衣装合わせ,ゲネプロを経て,当日3時間のプログラム。 こどもたちのゲネを客席からみる相沢先生は,「場所をよく覚えてるね」「とてもよくなったよ」「すてきね,ありがとう」 と声をかけていた。 それをきいていた吉祥寺クラスの恵美さん,「ゲネでこんなに優しい声をかける先生はなかなかいないのよ」と。 それからシルフィードの舞台の直前に,「10年バレエをやっていてもシルフィードを踊れる機会はあるようでなかなかないもの,初めての舞台でシルフィードができるってすごいことなの」とも云っていた。 当日,同じカルチャーでがんばってきた由美子さんが体調が整わず休むことに。 お姉さんの庸子さんも,残念な思いを消化しながらの初めての舞台。庸子さんは由美子さんの分まで踊ることはできない。わたくしたちは,自分自身の思いを踊りにこめることしかできない。ただ,ゲネまで一緒に踊ってきた由美子さんを感じながら,わたくしたちは踊る。 由美子さん,2年後,今度こそ一緒にこのすばらしさを味わおうね。 本番中,相沢先生は舞台袖で生徒たちを見守る。 これから舞台にでていくちいさなこどもたちの手をぎゅっと握って送り出す。 わたくしたちも、小品集のマーチのときにひとりひとり手を握ってくださった。 とてもあたたかくて強かった。 それだけでなんだかぐっときた。 くるみ割りの王子役の寛人くん,ゲストの男性ソリスト,中山先生から魔法をかけられたせいか!?王子のバリエーションは,信じられないくらい王子そのものだった。 シルフィードを踊りだしたら,あっという間に時間が流れた。 照明がとてもきれいな青みがかったひかりで,向かい合って踊るコールドのひとたちの姿に,きれいだなぁ,と思いながら踊った。 裏方で細かな作業を担当してくださった,こどもたちのお母様たち,舞台スタッフの方々,快く応援してくださった調布と府中のカルチャーセンターの店長の杉浦さんと横江さん,木曜,金曜バレエクラスのみなさん,メイクさん,エスポワールバレエの大栗先生,くにこ先生,踊ったときにダンサーがうつくしく映える衣装を作ってくださった中尾さん,山形から参加くださったまさに表現者!であるまゆみさん,そして,場を盛り上げ,プロとしての矜持も見せてくださった男性ダンサー,中山先生。 ソリストの久美ちゃんの踊りは,いつまでもみていたい,と思う,うつくしいものだった。 久美ちゃんも,妹の佳子ちゃんも,みているひとをしあわせにする踊りができるひとだ。 楽屋でも舞台袖でも,まるで相撲部屋のおかみさんのようにかいがいしく初心者のわたくしたちに声をかけたり,マッサージしたりと,足首の痛みとたたかいながら踊り通した恵美さん, 気持ちの強い,明るいゆかりさん,初めての舞台なのに落ち着いて,気持ちいいですね,と云った加奈子さん,ただただうつくしい海賊を見せてくれためぐちゃん、木曜クラスの自主練にも顔を出してくれ,こどもたちからも絶大な信頼が寄せられるあやちゃん,振り覚えの遅いわたくしに根気よく教えてくれた米田さん,自主練の会場を手配したり,おいしい紅茶をごちそうをいれてくれた桑原さん,ボディ談義に大笑いしながら,同じくらい酒が飲めて,じつはあつい女の真紀ちゃん,踊ることをこころから楽しんでからだも表現力も変化している庸子さん,由美子さん,みんなを盛り上げて,一生懸命稽古を重ねていたちひろちゃん,ビデオ撮影や,衣装の小物,パンフレットまで作成してくれたちひろちゃんのだんなさま, なんというか,そんなひとりひとりの心とか,人生のある瞬間が重なって,この舞台があるのだなぁと,シルフィードのコーダを踊りながら感じていた。 すばらしいと感激していた。 この舞台で,この仲間で踊れることに。 ロビーで会った息子は,なかなか言葉を探せずに恥ずかしそうに,だけど少し感動しているようだった,ははは。 お花をくださった中井さん,坊さん,マキさん,恭子ちゃん,三浦さん,本当にありがとう。 一緒にお稽古しているみなさん,観に来てくださってありがとう。 そして,相沢先生。 わたくしたちの幸運は先生と出会ってしまったこと。 舞台って,ひとの持つうつくしいエネルギ-のかたまりが昇華するものですね。 先生,わたくしたちは,ほんとうにしあわせ。 ありがとうございました。 そんな泣かないよ,と思っていたら,とんでもなかった(笑)100人分くらい泣いてました。 さぁまたはじまり!