テーマ:闘病日記(4004)
カテゴリ:難病関連
今日は、医療関係者が簡単に言ってくれる気管切開について、実際にされた方の思いを
紹介したいと思います。 気管切開と胃ろうを手術された方で、術後、半年ほど経過したときのメールです。 ※ご本人の許可はいただいています。 吸引地獄/ベッドでの生活とベッド上のケア/胃ろうからの栄養/移乗の変化/ 声を失ったこと/口・鼻呼吸ができないつらさ/匂いがほとんどわからない辛さ/ カニューレ交換地獄/生活レベルの低下/人手が必要/ 全身麻酔による手術でしたので、術後に呼吸器をはずせなくなる可能性があると医師に 心配されましたが、呼吸器を着けることなく自発呼吸のままで持ち越しました。 ただ、残念なことにカニューレたった一つのせいで、以前のように頭をさげての移乗が できなくなってしまいました。 入院中は自宅と同じ様に、手術前は夜間のみベッドで日中は車椅子で過ごし、リハパンの 着替えやパット交換は立位で行ない、トイレにも行けたのに… 術後はベッドから離れられなくなってしまいました。 長すぎた入院ですっかり筋肉が落ちてしまい、栄養失調の子どものように痩せ細った体、 脚力がどの程度あるのか、まだ立てるのか、いまだにわかりません。 一番ショックだったのは、鼻呼吸、口呼吸ができないこと、匂いがわからないことでした。 口鼻呼吸のことは知っていたけれど、自発呼吸ができれば、少しはできるのでは、と 勝手に思っていたのです。 今では、匂いが少しわかるようになってきました。 もちろん、声を失ったことは同病の当事者でなければわからない悲しみと嘆き、 いや、それ以上の感情です。 けれど、「クヨクヨしていても前に進めない、へこたれるのは嫌だ。」そんな気持ちで 新しい体と向き合って生きています。 気持ちに余裕が出てきたのは年明け。 毎日、ケアに追われて時間に余裕がなく、PCに向き合うことがなかなかできない状況です。 まだ、足先での操作は健在です。 これから少しずつ以前の生活レベルに近付けたいと思っています。 医者は、簡単に気管切開を勧めるけど、手術後に生活が全く変わり、精神的につらい上に、 肉体的にも痛みが伴い続けることを知っているのだろうか?と思ってしまいます。 声を失う・・・想像を絶する絶望感だろう。 どーせ今だって何言ってんのかわかんないんだからいいじゃんって思う人もいるだろうけど そういう問題じゃないと思う。 前に何かで読んだ。 「ALS患者は声を出さないで泣く」と。 そう・・・声が出ないから。 その姿は、とてもじゃないけど見ていられないと、その人は書いていた。 さらに、コレのせいで他の機能が失われる。 例えば、まだ立ち上がる力はあるのに、下を向けないせいで自力で移動することが出来なくなる。 そうすると介助も大変だろう。 トイレは? オムツ? ・・・暑いねー。 むれるねー。 臭うねー(笑) シャワーは? 頭はどうやって洗う? ・・・人手が要るねー。 寝返りは? ・・・夜中も付きっきりだねー。 でももしかして、介助するほうは、人手は要るけど、今みたいに私の動きに合わせなくてよくなって 逆にやりやすいのかなー? とにかく、簡単に言ってほしくない。 確かに見極めは大事なんだけど、ね。 「生きているため」には避けて通れないことで、いずれは私もこの選択をするんだけど でもせっかくBiPAPをやっているので、イケルとこまでBiPAPでしのぎたいと考えている。 いよいよとなって、気切を選んだ時は、またそれなりに楽しく過ごせるように努力するけど・・・。 っていうか、500歩譲って、いろんなことぜーーーんぶガマンしたとしても、 せめて、吸引とカニューレ交換の痛みと苦しみは、どーにかなんないわけ 医療器具や技術も、もっとがんばれよ!と言いたくなる その後、この方は、それでも気管切開をしてよかった、と言っていたそうです。 気切前はいつもなんとなく苦しくて怖かったそうで、今はその恐怖感がなくなってよかったと・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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