100万人の合気道
今日は職場の人に合気道の技をかけてみました。みんな驚いてくれて、身体の不可思議さ、奥深さを楽しみました。相手の一人は体重105kgの柔道家です。(むかし東京でチャンピォンになったそうです。)「こんな人相手にできるかなぁ」とちょっと心配でしたができました。腕一本で相手が仰向けの状態から起きられなくなってしまう技があるのですが、54kgのぼくに抑えられると、105kgの彼がジタバタしていて、それはそれは不思議な光景でした。もちろんこれは合気道家と柔道家の交流という名目があるから成り立つことですが・・・。(実践と実戦はまた別物であります)途中で「合気道の人どうしが戦ったらどうなるの?」と聞かれました。ぼくの答えは「うーん、邪念のないほうが勝ちます」。そう、面白いことに合気道の技というのは相手に勝とう勝とうとすればするほど、うまくかからなくなってしまうのですね。これは、すごい原理なんです。ふつう世の中では「勝ちたい!」というやつが「勝ち組」になっていたりするでしょう。けれども合気道で「勝ちたい」と思うことはご法度なのです。それは精神論ではなくて、技がかからなくなってしまって困る、という実利的な面からそうなっているのです。ですからみんなが合気道を稽古したらすごく楽しいことになると思いますよ。みんな修業して、強くなればなるほどケンカが減っていくという素晴らしい構造になっているのです。だからぼくは合気道を広めたいのですね。別に合気道の技はどうでもいいのだけれど、その考え方、その哲学をみんなに知ってもらいたいのです。もちろんその哲学が合わない人もいるでしょうけど、その考え方を知ることによって幸せになる人は、たくさんいると思うのです。とくに日本人であれば、合気道的な考え方はマッチすると思うんだけどなぁ。身体運動にせよ、芸術にせよ、人間関係にせよ、「和の文化」は本当に見事なシステムになっているんだよね。「和」は調和の和であります。ハーモニーなんですよ。幸せは、ハーモニーなんです。その感動をぼくはもっと伝えたいんだけれども、言葉にするのが下手なのか、なかなかその良さを分かってもらうのは難しいのです。文化を学ぶということは無限の道だからね。テレビゲームのような「クリア」という考え方自体がないのです。あとはかならず「カラダを使う」ということだよね。カラダなしには、悟ることはできない。アタマも大事だけれど、カラダはもっと大事だ。そんな果てしない道を歩くという面白さをぼくは追及してみたいと思う。