沖縄本島の史跡巡りー26、『4日目:9/28ー2』ヤマクモー広場、旧億首橋、金武ダム
億首川のマングローブ林から上流にある金武ダムへ。9月28日(水) 8:00億首川の上流に引き返し正面に「金武ダム」。道路脇に建つ案内板には、「宿道 ⇒ 200m」「旧億首橋 ⇒ 50m」。ヤマクモー広場所在地:沖縄県国頭郡金武町金武駐車場、トイレ施設があった。道路を挟んだ南側には「億首川せせらぎ公園」がある。駐車場脇に「ヤマクモー広場」の石柱。ヤマクモー広場からの金武ダム金武ダムってどんなダムだろう? 綺麗なイラストと共に紹介されていた。金武ダムってどんなダムだろう?金武ダムは、億首川にある水道用水専用の旧金武ダムの約120m下流に建設された多目的ダムです。多目的ダムとは、水をためて水道用水、農業用水として利用したり、大雨の時の洪水をふせいだり、また、日照りが続いても水が無くならないように水を流して川を守ったりと、いろいろな役割をもったダムのことです。金武ダムの大きさ金武ダムにためられる水の量は 7,860,000 立方メートルにもなリます。これは、25mプール(300m3)だと約 26,200 杯にもなリます。CGS:重力式コンクリートダムの材料として使えない石や砂に少しセメントと水をまぜて台形 に固めてつくります。高さ × 長さ = 39.0m × 461.5m金武ダムの目的● 人々の生活を守ります。 大雨の時でも川の水があふれないようにするやくわりをもっています。● 田や畑に水を送ります。 田や畑に水が不足しないように水を送るやくわりをもっています。● 川の環境を守ります。 川の生き物の生活などを守り続けるため、いつでもいっていの水を流すやくわりを もっています。● くらしに必要な水を送ります。 飲み水やお風呂の水など、くらしに必要な水を送るやくわりをもっています。金武ダムの特徴 旧金武ダムよりもさらに大きくなり、ためられる水の量が増えました。 旧金武ダム ダムの高さ 12.8m ためられる水の量 660,000m3 新金武ダム 〃 39.0m 〃 7,860,000m3 ヤマクモー広場に建つ「海と山をつなぐ」碑この広場は昔、ヤマクモー(山工毛)と呼ばれ、現在のダム貯水域にあたる億首川上流のヤマから切り出された材木などが集められ、ここで荷造りされて舟で中南部へと運び出されたといわれています。いわば、ここヤマクモーはウククビを通る陸上交通と、舟による水上交通が出会う場所でもありました。写真は1959(昭和34)年 ヤマでの伐採作業の様子。『区誌別冊 歴史写真集 並里」より旧億首橋辺りから金武ダムを見上げる。アーチ橋、出現川の両岸が最も近いこの場所は「ウククビ(奥首)」と呼ばれ、宿道の時代から川を渡るポイントでした。昭和六(1931)年にかけられたこの橋は、コンクリート造りの新しい建築技術でありながら、それまでの石橋の特徴も併せもっています。沖縄戦で米軍侵攻をおそれた旧日本軍の指示により爆破され、川底には破壊された橋の一部がいまも残っています。金武町指定文化財 旧億首橋 一、種 別 記念物(史跡) 一、指 定 令和三年一月一日 一、所在地 金武町字金武億首川河川地内 一、寸 法 全長 二十二メートル 全幅 五メートル 全高 六・三メートル説 明旧億首橋は、一九三一年(昭和六)に建設されたアーチ橋で、伝統的なコンクリートを応用した独特な建築様式が採用されています。コンクリート建造物がまだ少なかった昭和初期の橋染建築技術を今に伝える責重な遺構であり ます。附近一帯は古くから交通の要街であり、宿道跡などの遺跡とともに奥首の支通遣跡群を構成しています。橋として共有された期間は短く、アジア太平洋戦争末期の一九四五年(昭和ニ〇) 3月末に、米軍の侵攻を妨げる目的で旧日本軍によって破壊されたといわれています。忌まわしい戦争の記憶を後世に継承する戦争遺跡として重要な文化財です。注 意一、史跡を汚さないでください。 金武町教育委員会戦前に架橋された、億首川河川地内にある充腹式上路アーチ橋の遺構で片側だけが残っている。旧アーチ橋の遺構をズームアップ。道を挟んでヤマクモー広場の南側に「億首川せせらぎ公園」がある。後方の橋脚は金武大橋。億首川に架かる水管橋。旅友はこの階段を上りダムへと。自分は体調を考えダム下で待つ。階段下に「村をあげて」この道はそれまでの交通の不便を解消するため、大正十 ~ 十二(1921~23)年、金武村屋嘉から古知屋(現在の宜野座村松田)まで約22Kmが整備されました。村道整備には各世帯の参加が義務づけられ、参加できない世帯には負担金が課されました。昭和五(1930)年に国頭郡道となり、その一部が現在も残っています。8:17ヤマクモー広場から移動坂を上り「金武ダム管理支所」へ。所在地:沖縄県国頭郡金武町金武9959玄関先の表札には「沖縄総合事務局 北部ダム統合管理事務所 金武ダム管理支所」と。さっそく屋上にある「屋上展望台」に向かう。屋上展望台 開放時間【 9:00 ~ 17:00 】 金武ダム管理支所管理棟外側の階段を上がると展望台があり、掲示板があった。屋上にはウッドデッキがあり座席付きで弁当を食べるのにも良さそうだった。航空写真も貼られていた。展望台から正面下に「金武ダム」、左側に国道329号(金武大通り)の金武大橋の橋脚。手前の広場は金武ダム公園。金武ダムをズームアップ。右手には「沖縄自動車道の億首川橋」。億首川橋をズームアップ。南東方向を望む。正面に国道329号(金武バイパス)。遠く平安座島の石油基地が見える。更に東方向に振り、遠く宮城島を望む。8:25金武ダム管理支所から金武ダム公園へ下る。金武ダム案内図■概要 金武ダムは、億首川の河口よリ上流約1.4kmに位置する多目的ダムです。 [目的] ① 洪水調整 ② 既得用水や河川維持用水の安定化 ③ 水道用水の供給 ④ かんがい用水の供給■ダム緒言 ■位置 沖縄県国頭郡金武町金武地先 H5.3 億首ダム建設の基本計画告示 ■形式 台形CSGダム H5.4 億首ダム建設事業に着手 ■堤高 39.0m H21.3 億首ダム本体建設着手 ■堤頂長 461.5m H22.11 堤体C S G打設開始 ■堤頂高 EL 29.0m H23.3 定礎式 ■堤体積 339,000m3 H23.7 堤体C S G打設終了 ■集水面積 14.6k㎡ H24.9 試験湛水開始 ■湛水面積 0.61k㎡ H25.3 洪水時最高水位到達 ■総貯水容量 8,560,000m3 H26.2 竣工式 ■有効貯水容量 7,860,000m3 H26.4 供用開始 (「億首ダム」から「金武タム」へ 名称変更)■世界初の台形CSGダム 金武ダムは、世界で初めて台形CSG形式を採用したダムです。 台形CSGダムとは、砂礫や風化岩等に水とセメントを混ぜて作られた原材料(CSG: Cemented Sand and Gravel)を、台形状に盛り立てたダムです。 堤体の形を台形にすることで、風化岩等の強度の低い材料を使うことが可能になり、 材料調達コストの縮減や、捨てる土砂の量を減らすことで環境への負荷を減らして います。金武ダム公園にはトイレもあった。金武ダム公園に咲いていた花。金武ダム公園に「多目的ダム建設事業 復帰四十周年記念碑 平成24年11月吉日」多目的ダム建設事業 復帰四十周年記念碑 平成24年11月吉日 石碑には10カ所のダムの位置が記されている。沖縄は、我が国唯一の島しょ県として、地理的、地形的要因、また、気象的要因等も相まって、常に水不足に悩まされてきました。このような状況に鑑み、沖縄振興開発計画等におきまして、水資源の安定的な確保は重要な課題として位置付けられ、昭和47年の本土復帰以降、沖縄本島では北部の河川を中心に、福地・新川・安波・普久川・辺野喜・漢那・倉敷・羽地・大保・億首の計10ダムの多目的ダムの建設を推進し、水資源の安定供給に努めてまいりました。沖縄本島においては平成6年3月以降給水制限を行うこともなく、連続給水を続けており、多目的ダムによる水源開発は、沖縄県の経済発展、生活水準の向上に大きく寄与してまいりました。この度、本土復帰40周年の節目を迎えるに当たり、これまで多目的ダム建設にご理解と多大なご協力を頂いたダム所在市町村及び関係者の皆様に改めて深く感謝するとともに、今後とも安定した水資源の共有ができる事を祈念いたします。 平成24年11月吉日 内閣府沖縄総合事務局 沖 縄 県多目的ダム諸元 所在地 ダム型式 総貯水容量 峻工年度福地ダム 東村字川田地先 ロックフィルダム 55,000千m3 平成3年度(再開発)新川ダム 東村字高江高江原地先 重力式コンクリートダム 1,650千m3 昭和51年度安波ダム 国頭村字安波川瀬原地先 重力式コンクリートダム 18,600千m3 昭和57年度普久川ダム 国頭村字安波原道原地先 重力式コンクリートダム 3,050千m3 昭和57年度辺野喜ダム 国頭村字辺野喜大川山地 重力式コンクリート 4,500千m3 昭和62年度 先 ・ロックフィル複合ダム漢那ダム 宜野座村字漢那地先 重力式コンクリートダム 8,200千m3 平成4年度倉敷ダム うるま市石川楚南地先 ロックフィルダム 7,100千m3 平成7年度 ・沖縄市字倉敷地先羽地ダム 名護市字親川大川地先 ロックフィルダム 19,800千m3 平成16年度 ・田井等大川地先 大保ダム 大宜味村字田港地先 重力式コンクリートダム 20,050千m3 平成22年度億首ダム 金武町字金武地先 台形CSGダム 8,560千m3金武ダム公園から「金武ダム管理支所」を見上げる。金武ダムの上から億首川を望む。下の右側にヤマクモー広場、奥に国道329号(金武大通り)の金武大橋の橋脚。放出口を見る。人口湖の金武ダム湖に架かる「沖縄自動車道の億首川橋」。貯水量は100%に近いのか。金武ダム湖に映える億首川橋き橋脚。工事用のネットがあったが耐震工事か?ダムの上から北側にある金武ダム管理支所を見上げる。8:30金武ダムの堤の上を渡り南側へ移動。前方は国道329号(金武大通り)の金武交差点。8:36国道329号(金武バイパス)の前方左側にこれから訪れる沖縄電力金武火力発電所の煙突。 ー 続く ー