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ラスタ・パスタのレレ日記

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2007年09月09日
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カテゴリ:音楽:CD
(その1から続く)

6曲目の『Hula Girl』
ご存知、昨年の日本映画の中でもトップの出来栄えであったと思う映画『フラ・ガール』のテーマ曲。ジェイクはじめての映画音楽への挑戦でもあった曲。

最初、映画を見る前に、この曲を聴いた時は、
なんで、「フラ・ガール」なのに、あんまりハワイっぽくないのだろうと不思議に思ったが、映画をみて納得。
映画は、衰退する炭鉱町の再生をかけて、ハワイアン・センターを作ろうというプロジェクトにむけて、様々な人の努力、中でも、フラガールをゼロから教えた先生と、地元のフラガールたちの話なのだが、

そのストーリーにぴったりな、ちょっとせつなくさみしいメロディがありながら、やがて希望へとつながっていく曲。

やはり、沖縄出身のルーツをもつジェイクだけに、日本人の心の琴線にふれるメロディを書くんだなァ、と感心する。たとえば、ルーツが日本に関係ないひとには、書けないメロディだと思う。

特に、ウクレレのメロディが、高音でスライド(または、チョーッキング)するところなど、ぞくぞくする。キーボードのオーケストレーションとの相性もばっちりだ。


7曲目の『Dragon』 2005年のこの曲、は、最近のジェイクの曲のひとつの典型的なパターンを持っていて、よく出来ている。

音楽が、静から動へ展開する。
音楽が、繊細から激しさに展開する


ストリングスが音楽全体を盛り上げていく。ドラムスもいい。

スポーツで言えば、
ひとつのジェイクの勝ちパターンの曲だ。

とてもいい曲だと思う。


8曲目の『Sunday Morning 』
9曲目の『Skyline』は、

日本では、それぞれの題名のミニ・アルバムとして2002年に別々に発売されたミニ・アルバムのタイトル曲。

両曲とも、まだ、今のジェイクのウクレレの音色というものが完成されていない時期のものだけれども、逆にそこに若々しさと可能性が感じられて、今でも新鮮だ。

明るい曲調のウクレレ・フュージョンともいうべき感じで、たとえて言えば、ぼくは渡辺貞夫「カリフォルニア・シャワー」「モーニング・アイランド」のアルバムが出た時のような、明るい陽光を感じた。

今も、こういう曲をときどき作ってくれればいいのに、とも思う。

10曲目の『Sand Channel』は、

ミニ・アルバム「サンデー・モーニング」の最初の曲で、ちょっと不吉な感じのイントロのあとに、哀愁のあるメロディで、ロマンティックでさえある曲。
ちょっとサンタナを思い起させるというか、日本のラテン・フュージョン
(例えば、松岡直也とウィシングなど)を想起させる曲で、ぼくはこういう曲も好きだ。ベース・ソロもいいし、シンセのオーケストレーションもいい。
ウクレレのソロも好きだ。

この2002年ごろやっていた曲を、どうして最近はジェイクは作曲してくれないのだろう。

さて、問題の11曲目、『Wes On 4 』

この曲は、はっきりいってクソだ!
ジェイクのファンだけれども、あえてそう言わせてもらう。

Wesとは、ジャズ・ギタリストのウェス・モンゴメリーのこと。On 4とは、

ウェス・モンゴメリーのオクターブ奏法などを、6弦のギターではなく、4弦のウクレレで表現します、ということだろう。

確かに、ウクレレでオクターブ奏法をするのは難しい。
ジェイクから、どうやって弾くかを教えてもらった、インターFMのDJにして、カヴァエハイのメンバー、ヴァンスKが、ジェイクから教わったことを、ぼくも教えてもらった。

確かに、それは難しいテクニックだが、しょせん、ウクレレでは、オクターブ奏法をやれる音域が非常に限られている。

そもそも、この曲は、ジャズではないし、ウェス・モンゴメリーの音楽ともまったく関係ない。ウェスへのリスペクトも微塵もない。
ただ、オクターブ奏法をモチーフに曲を作った、という感じで、こんなものは音楽でもなんでもない。

かなり辛口コメントだなぁ、と自分でも思うが、事実だからしょうがない。
なんで、こんな曲作ったのか。また、なんで、こんな曲をベスト盤に入れるのか。意味が分からない。

ジェイクは、ジャズの素養が全くない、というわけではないと思う。

チック・コリア「スペイン」や、ジャズ・スタンダードの「ミスティ」など、とてもいい演奏をしている。
しかし、おそらくこのベスト盤は、新録を除けば、既存の曲はすべてオリジナルにこだわったのかもしれない。

しかし、今、感じる限りでは、ジェイクにはジャズは書けないのではないかと思う。それだけのものが、彼の音楽の引き出しにないのではないか。
ここが、ポスト・ジェイクの最右翼、エイブとの違いだ。

しかし、ジャズとはそもそもアドリブの音楽。オリジナルにこだわらないで、スタンダード曲でも何でもいいから、ジャズ・ミュージシャンとがっつり組んで、ジャズのエッセンスを吸収したらいいと思うのだが、どうだろうか。

しかし、最近のジェイクの方向性は、よりロックを目指しているように思う。

これは、本人の意志か、ソニーミュージックの戦略かわからないが。

今年の夏もフジ・ロックフェスティバルに出演しているので、そういう戦略がとられているのかもしれない。

ただし、ジェイクが出演した「Office Court」は、
日野皓正クインテットや、上原ひろみも出演しているので、
必ずしも、ソニーミュージックが、ジェイクのロック化戦略を推し進めているともいえないのだが。


一転して12曲目の『Touch』は、スローな曲で、ぼくにはグっとくる。

今、この曲を含めて、ジェイクのスローな曲なら、ぼくでも弾けるのではないかと、コピーを試みているのだが、コピーするために、CDを聴けば聴くほど、
簡単そうに聴こえるメロディも、細かい音が、メロディにそうように繊細にちりばめられていて、実は難しい音が分かった。

しかし、この切なく、センチメンタルだけれども、心に優しくて心癒される曲は、本当に素晴らしいと思う。映画『フラガール』でも、別テイクが使われていて、映画の切ない雰囲気を盛り上げていた。胸をかきむしられるような曲だ。

ベスト盤の演奏は、ベースもドラムスもさりげないけれども、とてもいい。ストリングスの音も素晴らしい。

13曲目の『Crosscurrent』は、

やはり2002年のアルバム「Crosscurrent」のタイトル曲。

2005年の「Dragon」より先に、

音楽が、静から動へ展開する。
音楽が、繊細から激しさに展開する。

という、ジェイクの曲のひとつの典型的なパターンの原型のようなものがここにある。特に、後半の、ストローク・プレイで盛り上げていくところは、わくわくする。

『Crosscurrent』というアルバムは、他に

スティングの「Fragile」
チック・コリアの「スペイン」
サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」

と、多彩な曲が演奏されており、ぼくの好きな曲が多く、とてもいいアルバムだと思う。

どうしてこういう多彩な方向に最近はいかないのかが、ちょっと残念だ。
セルフ・プロデュースとオリジナル曲にこだわりすぎているのかもしれない。


14曲目の『Orange World』

この曲は、一部、ウクレレの繊細なメロディが出てきていいのだが、
リズムがおそまつだし、ソロも、なんじゃこりゃ、とぼくは思う。
ときどき、ウクレレのトリッキーなプレイが出てきて盛上がるとは思うのだが。

フジ・ロックのような大きなステージには、こういうふうに盛り上げる曲も必要なのだろうけれども、ジェイクがなんでこういう曲を書くのかが分からない。
彼のソングライティングの力量を疑わせるような曲だ。


15曲目の『Hertbeat』 2004年の曲。

ジェイクの公式
音楽が、静から動へ展開する。
音楽が、繊細から激しさに展開する。

がここにも適用される。しかし、このようなパターンが繰り返されると、多少飽きる、というのも正直な感想。

しかし、この曲は、綺麗なウクレレのメロディや流れるようなアルペジオも出てくるし、途中で、一回、キーボードの荘厳な音が流れ、ウクレレの激しいアルペジオが、まるでプログレッシブ・ロックのように演奏され、鐘の音とともに場面が展開して、カッコいいウクレレのソロが炸裂する。
そこに、ギター・ソロがからみつく。

最後に、また静かなウクレレの音に戻って静寂で終わる。

曲としては非常に聴きどころも多く、ポテンシャルも高いと思う。
もうちょっと何かを変えると、もっとすごくいい曲になると思うのだが、惜しいなァ。

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(その3に続く)





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最終更新日  2007年09月23日 07時49分07秒
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