テーマ:フュージョン(487)
カテゴリ:フュージョン、AOR、ワールドMusic
前にブログで紹介した「スタッフ」のモントレー・ジャズ・フェスティバルでの演奏の映像DVDで、抜群なグルーブを見せてくれた、コーネルの登場である。 スタッフは、すでに、もう一人のギタリスト、 エリック・ゲイルと、キーボード、ピアノの リチャード・ティーは、すでに亡くなっているので、やはり、コーネル・デュプリーのライブは、何回も観ておきたい。 コーネル・デュプリーの演奏は、NYで、「ガッド・ギャング」のライブ、NYと東京で、コーネルのライブとして観たことがあるが、やっぱりあの、グルーブ感は、何回でも体感したいものだ。 さて、ライブ・レストランのBillboard Liveは、 表参道のBlue Note Tokyoや、丸の内のCotton Clubと同じように、ジャズを中心に、最近は、どの店も往年のソウル・ミュージックなどのライブを楽しませてくれるが、3つの中では、一番新しく、おそらく一番高いお店。 Billboard Liveが出来た時に、こけら落としで、 「スティーリー・ダン」が演奏したが、ミュージック・チャージだけで3万円ぐらいとるので、ばかばかしい、というか、ジャズ・クラブでそんな無茶な値段をとることに反抗の意志をつらぬいて見に行かなかった。 しかし、Billboard Liveは、予約と席の取り方が沢山あり、席も3フロアあって、ステージを上から見下ろせる席もあり、料理もそこそこいいので、ライブ音楽を聴く環境としては素晴らしい。 2階のフロアの席を予約した僕は、開演前からお店に入り、Dark Beer(黒ビール)を飲みながら、開演を待った。 もう、この季節だと、日が暮れるのも遅くて、開演前のステージの後ろは全面ガラスばりで、外の景色が見える。公園の緑の向こうに、高層ビルがいくつか見え、とてもいい気分だ。 開演近くに、ステージ後ろのガラス窓は、黒い幕を おろされるのだが、 コーネル・デュプリーの「Soul Survivors」と題した、バンド・メンバーがステージに入ってきた。 ステージ後ろ、左から キーボード、 ドラムス:バディ・ウィリアムス ベース: ステージ・フロント左から ギター:コーネル・デュプリー バリトン・サックス:ロニー・キューバ バディ・ウィリアムス(ds)は、ボブ・ジェームスや マイルス・デイビスとの競演でも有名だし、 ロニー・キューバ(bs)は、コーネルと一緒に、スティーブ・ガッドがリーダーのバンド、ガッド・ギャングで活躍していたメンバー。 このふたりのプレイが観られるというのも楽しみのひとつ。 ところで、ステージにメンバーが入ってきて、大変なことに気がついてしまった。コーネル・デュプリーのステージは何回か見たことがあるのだが、いつもスリムでかっこよかった彼が、少し太り気味なのと、 それ以上に、鼻から管をつけて、酸素吸入器のような器具につないでいるということ。 ええぇぇ~、なにか重たい病気なのかなぁ。コーネルさんには長生きしてもらいたいのに。 バディ・ウィリアムスのどらむ・セット、バスドラの前に「サブキック・ドラム」というふた周り小さいドラムが置いてある。 バスドラを鳴らすと、一緒に高音のドラムスが鳴るようになっているのかなぁ。 さっそく1曲目がはじまった。 はじめからソウルフルな演奏。 曲のテーマが提示されてから、ロニー・キューバのバリトン・サックスのソロになる。 テナー・サックスより低い音の、サックスのうなりは、どすがきいた咆哮のようで、もうそれだけで、ソウルフル。 コーネル・デュプリーのソロに続く。 コーネルは、右手の親指と人指し指にピックを持って、ピックと、中指の両方で弦を弾いている。スタッフのDVDでは、見逃してしまった奏法だ。 中指(場合により薬指もいっしょに)は、下の弦から上の弦に向かって、別の生き物のように、前にも書いたが、まるで女性を愛撫するように、ぷるぷるぷると弦にビブラートをかけながらアップで弾いている。 そうなのか、かれの独特のソウルフルなニュアンスは、こうした右手の指の使い方に秘密があったのか。 ソロは、続いて、キーボード、ベース、ドラムスと続き、 最後に、コーネルのギターとロニー・キューバのバリトンサックスがメロディをユニゾンで、終了。 曲名は「Things Ain’t What」だった。 コーネル・デュプリーが、マイクを持ってしゃべった。 「お元気ですか」日本語である。 次に曲は、スタッフ、ガッドギャングと続いた朋友のリチャード・ティーに捧げる曲。 「Tee」 今度は、コーネル・デュプリーの左手に注目。 彼の左手は、弦を押さえる指の中で、薬指が自在に動き回り、やはりビブラートや独特のニュアンスをかけている。 よく、ギターやウクレレでは、左手の小指を制するものは、ギター(ウクレレ)を制すると言われており、例えば、やはりいぶし銀のギタリストのDvavid T. Walkerのステージを観ると、彼独特のニュアンスは、左手の小指の大活躍によってもたらされているのがわかるが、 コーネル・デュプリーは左手の薬指がキーだ。 左手の薬指と右手の中指、この組み合わせで、コーネルデュプリーは、自在な音楽を奏でている。 (その2に続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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