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テーマ:猫のいる生活(136072)
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私にとってこの世でもっとも愛おしい野生の生き物はナマケモノです。
あのスローな動作と云い、なんとも愛嬌のあるお顔。 そして野生なのに人に対してなんの警戒もしてないような行動。 こんなに脆弱な生き物は他にいないんでは? ただでさえカワイイ ナマケモノでも、とりわけ赤ちゃんは絶品です。 そんなナマケモノの赤ちゃんが泣いてる動画がありました。 Why Do Baby Sloths Squeak? ナマケモノの赤ちゃんは抱っこされるために生まれたようなものです。 生後6~12ヶ月はお母さんのお腹にしがみつきます。 なので孤児となったナマケモノの場合、保護団体は母親の代わりに寄り添ってくれる人を選定します。 そうすることで、赤ちゃんの体温を保ち、過度のストレスを防ぐのに役立つのですね。 時々、お母さんとはぐれてしまった赤ちゃんがいますが、お母さんと再会すると、すぐに泣き止みます。 野生では、赤ちゃんナマケモノの鳴き声は、お母さんがいなくなった赤ちゃんを見つけるのに役立ちますが、その声はジャングルに住む鳥の鳴き声を模倣していて、耳の鋭い捕食者でも居場所が分からない仕組みになってるのですね。 知らない人は驚かれるかも知れませんが、ナマケモノはとても泳ぎが上手です。 彼らは水に入ると本能的に泳ぎ方を知っています。 ナマケモノが生息する熱帯環境には川やスコールで増水など、さまざまな水域があるからです。 この能力は溺れたくないだけでなく、森の林冠の隙間を越えるのに泳ぐのが最も効率的な場合もあります。 ナマケモノは一日中眠っている以外ほとんど何もせず、単純で怠惰な生き物であると考えられていますね。 だから「怠け者」という呼び名がついたし、英語名の「Sloth」も「怠惰」や「ものぐさ」を意味する単語です。 こんなスローな生き物が生き残っていること自体驚くべきことのように思えます。 しかしナマケモノが約6,40万年前から存在しているという事実はど~云うことなのでしょう? 実は、スローなことが生き残る戦略なんです。 ナマケモノって1日中寝ているように見えて実際は日に8~10時間しか眠りません。 起きてる間の動きはご存知の通り非常にスローですが、常に一定のペースで動きます。 なぜ、こんなにもスローかと云うと、冬眠してない哺乳類の中で代謝が最も遅く、低カロリーの餌で生き延び、1枚の葉っぱを消化するのに約一ヶ月もかかります。 したがって、ナマケモノは物理的に速く移動する能力を持っていないんですね。 これでは身を守ることも、捕食者から逃げることもできないワケです。 ところがナマケモノの天敵となる大型ネコ科動物や鳥類は、主に獲物を視覚的に検出します。 姿を見て、「あぁ~あそこにナマケモノがいるよ。いただいちゃえ」とはならないんですね。 なのでナマケモノは彼らに気付かれない程度のスローペースで移動しているだけなんです。 彼らのゆっくり移動は、熱帯雨林の林冠に溶け込む最も優れた方法なんですな。 つまり姿の迷彩ではなく、行動の迷彩をまとってるワケです。 下の画像はエクアドルの交通量が多い高速道路から救出されるナマケモノですが、おまわりさんはスグに手を出しません。 この後、手袋してから救出しました。 なぜナマケモノを素手で触らなかったかと云うと、保護施設にいるナマケモノと違って、野生のは毛の中にのみ生息する特別な種類の蛾がいるからです。 蛾に加えて、ナマケモノの毛は藻類、菌類、さまざまな寄生虫、甲虫などを宿す独自の生態系のようなものなんです。 よくナマケモノの毛が藻で覆われて緑色になってるのは、そのためなんですね。 ナマケモノは代謝が鈍いので、週に1回しかウ◯コをしません。 その排便は安全な樹幹からではなく、キケンな地上にわざわざ降りてします。 なぜ、キケンをおかしてまで地上に降りるのか? 排便と同時にナマケモノの毛にいた蛾がウ◯コに飛び移ります。 そして蛾はウ◯コの中に卵を産むのです。 卵が孵化すると、幼虫はウ◯コを食べ、そこで成熟し、最終的には樹幹にいるナマケモノめがけて飛び上がります。 そう云うサイクルなんですね。 この蛾がナマケモノの毛に多いほど、毛の窒素濃度が高くなるんですね。 窒素濃度が高くなると、より多くの藻類が成長します。 ナマケモノの毛で成長する藻類は、蛾とその老廃物によって継続的に増えていきます。 その藻類を口にすることで、ナマケモノにとってかなりのカロリー摂取になるのですね。 それに加えて、藻類の緑色が絶妙のカモフラージュになります。 さらに藻類は水を吸収します。 代謝が遅く、活動的でないナマケモノにとって、水分補給の源にもなってるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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